IAAF(国際陸上競技連盟)ワールドチャレンジ第3戦「セイコー・ゴールデングランプリ大阪」(日刊スポーツ新聞社共催)が19日、ヤンマースタジアム長居で開催される。ニッカンスポーツ・コムでは今回から世界から集結するトップアスリートに挑む日本の5選手を紹介。第3回は男子100メートルで自己記録10秒00を持つ山県亮太(26=セイコー)。1人だけの出場だったものも含め、日本人選手には現在、30レース100 メートル 無敗の日本最強スプリンターは、9秒台と今秋の世界選手権(ドーハ)、20年東京オリンピック(五輪)での決勝進出を目指し、新たな取り組みで成長を模索している。

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山県は17年6月の日本選手権を最後に日本勢に先着を許していない。日本最強スプリンターは今季から成長を数字に刻む試みをしている。4月中旬。MRIで筋肉の断面積を測定した。今後も定期的にデータを調べていく。理由はこうだ。

「目に見える形で、根拠を持ち、自分の成長を実感したかったので。自分のパフォーマンスをコントロールしたいとの思いもあり、測るようになりました」

その背景には米フロリダ州のIMGアカデミーでの合宿がある。競技の枠を超えたトップアスリートが集結する地で初めて合宿を敢行し、世界に目を向ける中で、フィジカル強化に力を注いだ。ウエートの数値も上がり、体重は昨季から1 キロ 増の74 キロ 。仲田トレーナーとともに体の構造、スプリントに生かせる動作などの研究論文も読み込んだ。練習では1回走るごとに動画を確認する頭脳派。肉体の成長の裏付けがあれば、記録を伸ばせる根拠にもなり得る。昨夏のアジア大会決勝は「90点」と、ほぼ会心のレースながら10秒00の銅メダルだった。もう1段階上の地力を得るため、模索している。

世界選手権、東京五輪と決勝進出を目指す上で、17年世界選手権王者ガトリンと対決できるセイコーGGPは試金石となる。「ガトリン選手は強いですが、勝てば日本短距離界のレベルが上がっている証明になります。東京五輪も近づいていますから、日本の短距離はやってくれるんじゃないか、という期待を持ってもらえるように、ガトリン選手に勝ちたいです」。前回大会は「0秒07」及ばなかった。今年の差はいかに。示す数字が成長の証しにもなる。【上田悠太】

◆日時 5月19日(日)午前8時30分開場、同9時サブイベント開始、同10時15分競技開始

◆会場 ヤンマースタジアム長居

◆入場料(当日券)

S席(指定席)=4500円。A席(ブロック指定)=一般3500円、小中高校生2500。B席(ブロック指定)=一般2000円、小中高校生1500円。小学生未満無料。

◆大会HP http://goldengrandprix-japan.com