リレー侍がリベンジレースに臨む。セイコー・ゴールデングランプリ大阪(19日=日刊スポーツ新聞社共催)前日の18日、会場のヤンマースタジアム長居で会見が行われた。

バトンミスにより予選で失格に終わった世界リレー大会(横浜・日産スタジアム)から1週間。今大会の男子400メートルリレーも第1走者から多田修平(22=住友電工)、山県亮太(26=セイコー)、小池祐貴(23=住友電工)、桐生祥秀(23=日本生命)と同じメンバーで挑む。快走で、苦い記憶を吹き飛ばしたい。

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同じ失敗は繰り返さない。会見前にリレーメンバーはトラックを使用し、バトン練習。世界リレー大会では痛恨のミスが発生した小池から桐生のバトン渡しも、よどみなく流れた。桐生は「3走を信じて走って、バトンをもらってゴールするだけ。先週のようなミスを犯さないようにゴールしたい」と力強く言った。

100メートル9秒99を出したサニブラウンとの融合を目指す日本は、走順の引き出しを増やそうとしている。16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)銀メダル、17年世界選手権銅メダルに第3走者で貢献した桐生も、違う位置を任されることになる。代表としてのアンカー初陣は失格とほろ苦い結果に。成功体験を上積みし、苦い記憶を払拭(ふっしょく)する。

第2走者の山県は「戦う上で自信にできるポイントもあった。自信を持ちながら、結果を求める」と言う。世界リレー大会も個々のラップタイムは、日本記録37秒60を出したリオ五輪決勝と遜色なかった。バトンパスは反省材料となったが、同時に失敗さえなければ好記録が誕生していたはずという手応えも得た。

20年東京五輪の出場権は今秋の世界選手権(ドーハ)の上位8カ国。残る8カ国は記録によるランキング順。日本は世界選手権での切符獲得を念頭に置くが、不測の事態への備えも必要。そのため、日本陸連の土江五輪強化コーチも今大会で記録を出すことを重要視する。昨年は日本歴代3位37秒85を出した。それを上回るタイムを残し、進化を証明したい。【上田悠太】