男女上位2人が20年東京オリンピック(五輪)のマラソン代表に内定する「グランドチャンピオンシップ(MGC)」(15日)の出場全40選手による会見が13日、都内で開かれた。

男子日本記録保持者の大迫傑(28=ナイキ)は、抱負を漢字一文字で「傑」と記し「傑作を出したい」と最高の練習ができたことを強調。前日本記録保持者の設楽悠太(27=ホンダ)は、スローペースでラスト勝負になる展開が予想される中、序盤からレースをかき回すプランをぶち上げた。

   ◇   ◇   ◇

男子30人、女子10人の出場選手が一堂に会した異例の会見の中でも、大迫の存在感は光っていた。抱負を記すボードは、名前でもある「傑」と記した。その心を「今までやってきた中での一番いい練習ができてきた。あとは心身ともに充実している。傑作を出したいという思い。妥協なく淡々とできた」と説明。その絞り切れている体が、最高の仕上がりを物語った。

東京五輪が懸かるレースでも特別な思いはない。過去の大会もシンプルに優勝を目指して走ってきた。意識は同じ。「ただ単にMGCという大会というだけ」。実績、記録からして、追われる立場であることは間違いないが「メディアの人が言うほど、マラソンの選手は他人を意識はしていないと思う」。そう意に介さず、重圧を感じる姿もなかった。勝負のポイントは坂が続くラスト5キロと読む。

体だけでなく、髪まで無駄がない。夏から丸刈りにする。きっかけは合宿先で美容院に行けなかったことだが「もともとやりたかった」と、3日に1回はバリカンを頭に入れていたという。今も特に深い意味はないが継続する。「しっかりと強さを見せられれば」。修行僧のように、走ることを極め、集中力は研ぎ澄まされている。【上田悠太】