日本人最高は2位の藤本拓(30=トヨタ自動車)で、タイムは2時間9分36秒。日本記録を上回る2時間5分49秒以内の条件に届かず、東京オリンピック(五輪)代表条件を満たすことはできなかった。

99回目のマラソンとなった川内優輝(32=あいおいニッセイ同和損保)は12位、設楽啓太(27=日立物流)は14位、佐藤悠基(33=日清食品グループ)は15位だった。

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藤本は日本記録ペースに食らいついて頑張った。そこには、敬意を表したい。これまでのように「日本人トップ」ではなく、純粋に「速さ」を求めるのがMGCファイナル。日本選手が高速レースに付いていけないリスクもあったが、藤本が盛り上げた。ただ、わずかに地力が足りなかった。

ハードルが高いとも言われるが、これが世界基準。海外のトップ選手と争うのなら、このペースに慣れないといけない。これがハードルでなくなれば、世界と戦える。日本のマラソンが世界レベルになるために、大きな挑戦となる。

びわ湖や東京を狙う選手にとって、福岡のレースはヒントになったはず。設楽悠太や井上大仁らは、日本記録クリアに自信を持ったかもしれない。設定タイムが決して高くない女子はなおさらだ。複数の「本当に速い選手」が設定タイムを切ってほしいと思う。(84年ロサンゼルス、88年ソウル五輪代表)