陸上の日本選手権は1日から3日間、新潟・デンカビッグスワンスタジアムで開催される。

注目の男子100メートルの優勝の候補が30日、会場に隣接したサブトラックにそろい、最終調整した。自己記録9秒98の桐生祥秀(24=日本生命)は低く、鋭く出る工夫を加えた新スタート法を披露。8月に自己新の10秒03をマークしたケンブリッジ飛鳥(27=ナイキ)は4年ぶり2度目の優勝に自信を示した。

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東洋大1年時以来の6年ぶり優勝へ-。桐生は新たな形を仕上げてきた。スタート練習。低く、鋭く飛び出ていた。その秘密は…構えた時に後ろ足の右スターティングブロックを1段階下げたこと。左右の足幅を広げることで、体勢は自然と低くなった。右足を乗せるプレートの角度を上げて微調整を施し、今の体に適したベストなスタート姿勢を約1ケ月かけて、作り上げた。「試合でどうなるのか試したい」と話した。

今季は6度走って、4度が10秒0台と高いアベレージを誇る。中盤以降の伸びが抜群。ただ「スタートから20メートル」に関しては「速くはない」と満足できていなかった。その前半を改善できれば、好記録は必然的に出そうだ。会場は洛南高2年時の12年全国高校総体以来という。その時は故障もあり無冠に終わった。「(新潟は)全然いい思い出がない。今回、いい思い出に変えたい」と力を込めた。