首位から出た勝みなみ(20=明治安田生命)が3バーディー、3ボギーの72で回り、通算14アンダーの202で今季2勝目、通算4勝目を挙げた。

出だしの1番でボギーをたたく苦しい展開も、前日までの貯金で逃げ切った。この優勝で世界ランク50位以内になることが見込まれ、30日に開幕の全米女子オープン(サウスカロライナ州チャールストンCC)への出場も確実となった。2位には12アンダーで河本結が入った。

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13番で松田に並ばれても、勝の気持ちは落ちなかった。「その時は安心しました。何か分かんないけど、気持ちが楽になった」。前向きな姿勢が、勝負どころのバーディーを生んだ。15番パー3。カップ前にわずかな下りのある、上りの難しいバーディーパットを沈めた。2位松田に2打差をつけて抜け出した。

「やばい時もしっかり自分のゴルフを楽しくやったことで、15番でのご褒美みたいなバーディーが来てくれた」と、試合後に振り返った。ツアー1年目に苦しみ抜いた勝が、今季は今月上旬のパナソニック・レディースに続き、1カ月の間に2勝。1学年上の松田や同学年の河本、新垣らと争っての優勝で、あらためて黄金世代NO・1を証明してみせた。

黄金世代の躍進について宮里藍さんは「誰か突き抜けた存在が出てきて欲しい」と願ったが、それが最も期待されるのが勝だ。勝にゴルフの手ほどきをした祖父市来龍作さん(79)は「(米ツアーの)ハワイに行って、あれだけやれたと自信をつけた。それが心の支えになって、無心にプレーできている」と話す。4月に米ハワイで開催されたロッテ選手権。初挑戦ながら17位と健闘し、「自分でもやれる」との確信が、躍進につながった。

今回の優勝で、世界ランク50位以内が確実になり、30日開幕の全米女子オープンへの出場がほぼ決まった。「うれしいです。初めてのアメリカ。すごい楽しみ」と笑顔で話した。同期で、すでに米ツアーで活躍する畑岡奈紗のように、明確な目標を掲げるタイプではない。米ツアー参戦も「今のところはない」とそっけないが、目標がないのではなく「自分がどこまでできるか知りたい」と考えるからだ。

賞金女王、米ツアー、東京オリンピック(五輪)も勝にとっては過程でしかない。黄金世代のトップランナーはさらなる高みに向かって走り続ける。【桝田朗】

勝みなみの使用クラブ▼1W=住友ゴム工業 スリクソン Z785(シャフト=ディアマナDF50、長さ45・25インチ、ロフト9・5度)▼3W=同 ZF85(15度)▼5W=同 ZF85(18度)▼4UT=同 ZH65ハイブリッド(22度)▼アイアン=同 Z-FORGED(5I~PW)▼ウエッジ=クリーブランド RTX4(50度、54度、58度)▼パター=オデッセイ O WORKS▼ボール=スリクソン Z-STAR XV