勝みなみ(24=明治安田生命)が来週の今季メジャー最終戦AIG全英女子オープン(英国・ミュアフィールド)に駆け込み出場が決まり、国内ツアーで7アンダー、65のロケット発進を決めた。全英出場権が、勝の世界ランク72位まで降りてきた。「忙しいな~」と笑いつつ、前祝いの今季初優勝を目指す。

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「全英に出られますが」-。勝が、日本女子プロゴルフ協会から連絡を受けたのは前日27日、プロアマ戦のスタート前だった。

とはいえ、全英開幕は来週8月4日。今大会最終日が31日。「え? 結構、急…急すぎて」と自分では「無理だなあ」と思っていたら、プロアマ戦を終えると母久美さんらが英国のホテル、フライトの候補を探してくれていた。

「お母さんやキャディーさんが“チャンスだし、今年の(米ツアー)Qスクールを受けるつもりなんだから、海外の試合で世界ランクのポイントを取りにいけばいい”と勧めてくれて」。日本出発は大会最終日翌日の8月1日朝の予定。「もう忙しいなって気持ちだけで。私、すぐ忘れ物するので、それをしないようにしなきゃ」と戸惑い気味に笑った。

そんな中での65だ。前半インはチャンスを外しまくり、18番で2メートルを決めて初バーディー。「ストロークの切り返しが早くなって、引っかけたり、押し出したりしていた。18番のバーディーパットの前に“もう少しゆったりした方がいいかな”と感じた」。後半アウトは3連続バーディーを2回重ね、別人のように6バーディーを量産した。

「宮里藍がアイドル」と言う勝は、海外志向が強い。8月8日時点で世界ランク75位以内という資格を満たし、今秋に米ツアーの最終Qシリーズ(予選会)に出る気満々だ。

ただし、メジャーは過去、全米女子オープンに3回、全英に2回出場し、予選落ち3回で最高は19年全米の22位。「まだアメリカツアーでやってないからなのか、何か特別感がなくて…。例えば日本女子オープンとかは、日本でやってるから特別感はあるんですけど」と首をひねる。

今年の全英開催コースが、名門ミュアフィールドで初の女子大会となることなんてもちろん全然知らない。この日、メディアの質問に「へ~! すごい! 本当ですか?」と驚いた。

全英翌週の国内ツアー・NEC軽井沢72も出場予定で、日英日の強行3連戦。帰国便は未定だし、往路のフライトもまだ確定していない。手探りでドタバタの中、はっきりしているのは、今大会で最高のスタートを切ったことだけ。「7月は初日オーバーパーばっかりだったんで、やっと脱出できてうれしい」。今季初優勝を手土産に全英へ。まずは最高のシナリオを考える。

▼全英に出場する日本勢

▽渋野日向子(歴代優勝者)▽畑岡奈紗(昨季米賞金ランク上位25人)▽笹生優花(18~22年全米オープン優勝者)▽山下美夢有(サントリーレディース優勝)▽藤田さいき(同2位)▽西郷真央、高橋彩華、堀琴音(サントリーレディース終了時点の有資格者を除く賞金ランク上位3人)▽

西村優菜(6月27日時点の世界ランク50位以内)▽橋本美月(昨年アジア・パシフィックアマチュア選手権優勝)▽勝みなみ(世界ランク上位者)

注=()内は出場資格。