女子の開志国際(新潟)は富士学苑(山梨)に66-46で快勝し、3年連続の16強入りを決めた。創部3年目の1期生たちの最後の戦いは、20点差勝ちでスタートした。チームの初ゴールを決めたSG中島彩衣(3年)は、両チーム最多の17得点で大暴れ。きょう25日の3回戦は東京成徳と対戦する。

 チームを快勝の軌道に押し上げたのは、SG中島のレイアップシュートだった。動きに硬さが見られた立ち上がり。0-5で迎えた4分にドライブから決めたショットがチームを動かした。「自分が決めたかった。(U-18日本女子代表の)藤永(真悠子=2年)に決められたら、最上級生として悔しいと思っていた」。気迫あふれる1本のシュートが、20点差勝ちしたチームの起爆剤になった。

 先輩が1人もいない1期生として3年連続の出場。負ければ引退になる大会だけに、慣れ親しんだ大舞台でも中島には余分な力が入っていた。「自分を含めて硬かった」。ところが、31分間のコートで両チーム最多の17得点。伊藤翔太監督(28)は「あの子の良さは気持ち」と言った。

 ゲーム後に着込んだTシャツにはスタンドで応援する後輩たちのメッセージがびっしり書かれてあった。自校で最後の練習をした20日に渡されたもの。中島のTシャツの左胸にはスーパーマンのマーク「S」が記されていた。石岡明日香(2年)が書いたSマークだったが、まさにスーパーマン並みの活躍をした。

 コート横の関係者席では優勝候補筆頭の桜花学園(愛知)・井上真一監督(70)が観戦していた。1期生の3年生が集大成の思いで挑むチームは、優勝候補からもマークされていた。そんな状況でも中島は、どこ吹く風。「気にせず、自分たちのバスケットをやりたい」と言った。更衣室では若水中(愛知)時代の同級生でU-18日本女子代表の馬瓜ステファニー(桜花学園3年=181センチ)に会ったが「久しぶりと言って、バチバチした感じだった」。3年連続の16強。初のベスト8へ、まずは東京成徳戦に臨む。【涌井幹雄】