24年パリ五輪金メダルの鏡優翔(25=サントリー)が、アジア制覇を成し遂げた。カザフスタン選手に勝利。女子最重量級では02年釜山大会72キロ級制覇の浜口京子氏以来となった。
試合途中には右脚を痛め、会場は一時騒然となった。しかし、鏡は0-1の第2ピリオドから危なげなく得点を重ねて逆転してみせた。
試合後には「実は、前十字が完全断裂していて、みんなからは『出るな、出るな』『もう早く手術しろ』と言われた」と告白。大会直前の国内練習中の大ケガを明かした。それでも、自身を「意地っ張り」と表現しながら「何が何でも出る」と強行出場を決めた。この日は痛み止め注射も打たずに試合を迎えた。
32年ぶりの国内開催となったアジア大会出場を決めた理由には、母方の祖母の存在があった。「出るか悩んだ時にもおばあちゃんが来られる状況だと知ってから『おばあちゃんに勝った姿を見せたい』と思った。これからの頑張る活力にしてくれたらうれしいなと思ったし、たくさん応援する姿を見て、私自身もすごく幸せを感じた」。涙声で話す。
昨年11月には自身の会社を設立。今春からは東洋大大学院に進んで福祉分野の研究もしている。多忙を極めるレスラーは10月には世界選手権(カザフスタン)も控える。出場可否やケガの手術の可能性について今後検討していくという。
ベストコンディションではなくても、金をつかんだ日本開催のアジアの祭典は「最高の大会でした」と鏡。長いアスリート人生の中で特別な記憶を残した。


