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不可解判定でハンドボール五輪予選再試合
- 日本-クウェート戦で判定をめぐり一時騒然とする両チームの選手ら
五輪競技で前代未聞の再試合が行われる。国際ハンドボール連盟(IHF)は17日、パリで理事会を開き、判定をめぐるトラブルが相次いだ今年の北京五輪男女アジア予選の再試合を決定した。長年続いていた中東の審判による不可解な笛に対する、日本と韓国の抗議が実った。来年1月に中国での開催が有力。五輪出場の道が絶たれた男子も再挑戦の道が開けたが、代表監督、選手の再選出など、早急の対応が必要になった。
「直訴」が実った。北京五輪アジア予選の不可解な「中東の笛」に対する日本と韓国の要望書を受けて、IHFが動いた。17日の理事会で、極めて異例のアジア予選の再開催を決定した。大会の運営方法など詳細は3日以内に決める。同予選で優勝したクウェート側の反発は必至だが、国際連盟の管理下で来年1月末までに開催する方針で、中国で男女同時開催するのが有力となった。
パリの渡辺会長から連絡を受けた日本協会は18日午後、東京・岸記念体育会館で会見。蒲生強化本部長は「ざまあみろと思った」と本音をぶちまけた。オイルマネーの王族支配に影響されているという中東審判員の身びいきジャッジは、以前から東アジア勢を苦しめてきたが、今年の五輪予選も露骨だった。
愛知・豊田市で開催された9月の男子予選で日本はクウェートと対戦。2人のイラン人審判による不可解な判定が目立ち、27-29で敗れた。韓国-クウェート戦(20-28)でもヨルダン人審判が韓国代表のシュートを反則にして次々と退場させてしまった。その結果1位クウェートが五輪出場権を獲得し、3位の日本は五輪出場の夢を絶たれた。
2位になった韓国では国内で糾弾の声が高まり、テレビ局も検証番組を放送。日韓は共同でそのDVDをIHF加盟178カ国に送り、審判の公正を訴えた。アジア予選の東西分割さえも求めていた市原副会長は会見で「やっと努力が実った。中東にフェアプレー精神はない。勝てばいいだけ」と話した。
前代未聞の再試合に男子代表の主将だった中川主将は「せっかく得たチャンスを生かしたい」と興奮した。ただ喜んでばかりいられない。男子は10月にリマニッチ監督と契約が終了。代表監督と選手を選出し直さなければならない。蒲生強化本部長は「今までガチンコ勝負ができなかったから」とクウェート戦に気合十分だが、アジア強豪の韓国にも勝たなければならない。アジア予選で3位となり、五輪最終予選出場が決まっていた女子も早急の準備を強いられる。気を引き締め直して「再戦」に臨む。
[2007年12月19日9時5分 紙面から]
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