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漫画家東村アキコさん新連載「雪花の虎」
[2015年3月5日16時32分]
漫画家東村アキコさん(39)の新作「雪花の虎」の連載が、6日新装刊の月刊コミック誌「ヒバナ」(小学館)でスタートする。「越後の虎」などと呼ばれた戦国武将、上杉謙信が実は女性だったという仮説をもとにした歴史漫画だ。東村さんに聞いた。
「海月姫」「主に泣いてます」などで知られる東村さんだが、歴史ものは「雪花の虎」が初挑戦。「日本史は詳しくないし、興味もありませんでした」と言うが、謙信女性説を知った時にひらめくものがあったという。
「日本版『ベルサイユのばら』になるな、と思ったんです。もちろんあの大傑作にはかなわないけど、もしかしたら宝塚の舞台になるんじゃないかと下心というか夢もあります(笑い)」。宝塚ファンの東村さんならではの着想だ。
調べていくうちに、謙信女性説は東村さんの中で確信に変わった。決め手は山形県米沢市の林泉寺に残されている肖像画。顔の輪郭がふっくらとし、薄いまゆ、小さな口の謙信が描かれている。「これを見たとき『女じゃん』と思いました。今は100%女性だと思っています」。
謙信の居城だった春日山城跡(新潟県上越市)も訪れた。「山の上にあって、海から遠くの武田領まで一望できるんです。最初は(謙信を)悲しみを背負った弱々しいキャラにしようと思っていたんですが、ここで育ったらウジウジした性格になりようがない。強い女性、豪傑だなと思いました」。
謙信が「ベルばら」のオスカルならば、アンドレが必要だが、東村さんには既に“意中の人”がいるという。謙信がプラトニックな思いを寄せる大物武将の登場も構想している。従来と180度違う謙信が描かれる。「歴史に全然興味のない女性に読んでほしい。歴史好きの人には『すいませんっ』って感じですね」。
◆東村アキコ(ひがしむら・あきこ)1975年(昭50)10月15日、宮崎県生まれ。99年「フルーツこうもり」でデビュー。「ママはテンパリスト」「主に泣いてます」などがヒット。10年「海月姫」で第34回講談社漫画賞少女部門受賞。
○…明日新装刊の「ヒバナ」は、熱いヒーロー、魅惑の美男子が活躍する話が満載。東村氏のほか、高木ユーナ氏「ドルメンX」、野田彩子氏「いかづち遠く海が鳴る」、長田亜弓氏「椿と罪ほろぼしのドア」など、注目作家の連載がスタートする。創刊号には、浅野いにお氏書き下ろしの漫画豪華冊子がついてくる。
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