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総額5000万円も 拡大する賞金付きゲーム大会

[2015年10月23日11時18分]

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 ゲーム大会で好成績を収めた参加者が、数百万の賞金を手にする。そんな大会が急速に増え、規模も拡大している。日本最大級のゲームイベント「闘会議2016」内で開催されるゲーム大会「闘会議GP(グランプリ)」の詳細が22日、主催のドワンゴから発表された。その中で、ひときわ目を引くのが、高額の賞金付きゲーム大会。モンスターストライク(ミクシィ)の総額5000万円を筆頭に、モンスターギア(セガ・同2000万円)、ダンジョンストライカー(DMMゲームズ・同1100万円)と、夢のある金額がずらりと並ぶ。海外では「eスポーツ」と呼ばれ、大観衆が集まるゲーム大会。日本でも一気にブレークする気配が漂ってきた。

 賞金付きゲーム大会は、ここ数年で一気に増加した。それでも、ゲームセンターなどで遊ばれるアーケードゲームの大会は、賞金総額でも数百万まで。1000万円超の大会などなかった。ところが、13年に開催されたオンライン麻雀「Maru-Jan」の大会「全国麻雀選手権」は、総額1000万円。これが火付け役となり、それまでゲーム内イベントで、成績優秀者にアバターなどのデジタルコンテンツを配布するだけだったオンラインゲームでも、賞金付き大会が増加。スマホ用アプリでも、毎日ランキング1位と100位に入ったユーザーに5000円を贈る「ワンダーリーグ」なども登場した。

 必ず疑問として出てくるのが「法に触れないのか」というものだ。主催社が参加費を集め、そこから賞金を出すことは、日本では認められていない。よって、これらの大会はアーケード、オンライン、スマホアプリ、すべて参加費が無料だ。そのため、賞金は主催社の持ち出しとなる。それでも開催するのは、ユーザー活性化のためだ。大会を勝ち抜くには、当然練習が必要となる。アーケードゲームであれば、大会に向けてゲームセンターに通い、お金を入れてプレーを続けることになる。ゲームセンターの集客手段としては有効だ。

 では、基本無料のオンラインゲーム、スマホアプリはどうか。これらのゲームの課金モデルは、強い敵キャラクターや、他のユーザーに勝つために、課金して強いキャラクターやカードを入手することで成り立っている。この場合、ユーザーをつなぎ留めるために、運営側はひたすら新たな敵、シナリオ、新カードなどを作る必要があり、また新規ユーザーとの差は拡大するばかりだ。ところが、多くのゲーム大会の場合、あらかじめ条件(対戦方法、使用キャラクターなど)が決められていて、それは必ずしも多く課金しているユーザーだけプレーできるものではない。新規ユーザーでも技術と工夫次第で、上位進出も可能となる。こうなるとベテランユーザーにも新規ユーザーにも、大会の条件を練習するために課金をするという、新たな動機が発生する。これもまた、運営側からすれば大きな意味がある。

 ゲーム業界が目指す次のステップは、参加費型のイベント開催だ。先述のとおり、参加費を集めて、その中から主催社が賞金を出すことはできない。だが、スポンサーが協賛金から選手に賞金を出すことは可能だ。プロゴルフなどの大会も、このような形式で開催されている。トップレベルのゲームプレーヤーに注目が集まり、かつゲーム自体のイメージが今以上に向上すれば、スポンサーとなる企業も出てくる。イベント会場に観衆が集まるようになれば、興業としての収入も期待できる。ここまで来れば、海外には多数いるゲームをすることで生計を立てる「プロゲーマー」が誕生することになる。

 今回行われるモンスターストライクの大会は4人1組のチーム戦で、優勝賞金は2000万円。1人あたり500万円だ。この額は、国内で働くサラリーマンの平均年収を超える。ここまで高額とはいかないが、類似の大会は今後も増える傾向にある。とはいえ、賞金が得られる人はごくわずかで、相応の練習や技術が求められる。プロゲーマー志望者が今後どの程度増えるかも注目されそうだ。【K松】

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