イチロー外野手(36)の前人未到の偉業に、地元愛知県豊山町の野球少年たちも沸いた。大リーグでの200安打越えの記録を10年続けたイチローは、東海3県の野球少年たちのために「イチロー杯争奪学童軟式野球大会」を15年も続けている。オリックス時代の96年に85チームから始めた大会は今年、285チームが参加するビッグイベントに発展。毎年4000人を超える「イチローチルドレン」を生み出している。
イチローの地元、豊山町の少年野球チーム「豊山フェニックス」の大野将輝主将(11)は「10年連続200本おめでとうございます」と地元のヒーローの偉業を喜んだ。「僕もイチロー選手みたいに頑張って、智弁和歌山で甲子園に出て、プロになって、メジャーに挑戦したい」と、大きな夢に向けた具体的な計画を真剣な表情で話した。
イチローとイチロー後援会関係者が96年からスタートさせたイチロー杯。名古屋近郊を中心とした愛知県内、岐阜、三重などから285チーム4000人以上が参加し、8ブロックのトーナメントを戦っている。
大会事務局のNPO法人「JBS豊山」の増田昌司副理事長によると「例年12月23日の閉会式には、どんなに多忙でもイチロー本人が毎年欠かさず駆けつける」といい、上位チームの選手たち1人1人にメダルを掛け、一言メッセージを贈る。昨年12月の閉会式でイチローを見た豊山フェニックスの投手立野和明君(12)は「ヒットが何本も打てるだけでなく、優しそうだった。メダルを掛けてほしくてみんな頑張っている」と話す。捕手の今熊弥斗(ひろと)君(11)は「おめでとうございます。でも、もっと記録を続けてほしい」とさらなる活躍を期待した。
昨年の閉会式でイチローは「目標を達成しようとする時、大事なことは、実は結果を残すことと同じように結果を残すために自分が信じてきたものを続けること」という言葉を少年たちに贈った。その場で「来年以降、今年まで続けてきたものを続けていく。このことを約束します」と10年連続200本安打も約束していた。自分の後に続く子どもたちとの約束は、どうしても守らなければならなかった。
これまでの大会で、5万人以上の“イチローチルドレン”が誕生している。中には、イチローが所属していた豊山スポーツ少年団で大会3位に入り、愛知啓成高でセンバツ大会に出場。現在明大投手として東京6大学でプレーする水野貴義投手(4年)ら、大舞台で活躍する選手も出てきている。増田さんは「イチローも『そろそろプロが出てほしい』と言っている。成績を残す選手も出てきており、楽しみです」と話している。【清水優】




