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福留がカブスと合意、4年53億円
中日からFA宣言した福留孝介外野手(30)が12日、カブスと4年総額4800万ドル(約52億8000万円)で合意した。週明けに渡米し、身体検査を経てシカゴで正式契約、入団会見を行うが、カブス側は福留がプロ入りから背負う背番号「1」を用意していることが分かった。FA宣言から約1カ月。巨人、阪神など日米12球団の大争奪戦がついに決着した。
福留が入団決定的となっていたカブスとこの日、合意した。名古屋市内の自宅で静養した福留は代理人を通して「報道されている通り、カブスの方向で考えています。最終的な結論はもう少し先になります」とコメントした。週明けに渡米し、ロサンゼルスでメディカルチェックを受けた後に本拠地であるシカゴで正式契約、入団発表を行う。
破格の条件もさることながら、カ軍は期待を込めて背番号「1」を用意していることが、判明した。福留は99年の中日入団時に当時の星野監督にもらった、この番号にこだわってきた。常々口にする「だれもマネのできないこと、自分1人にしかできないことをやりたい」というポリシーも背番号からきたものだ。
カ軍は争奪戦の中で常に他球団をリードする最大限の誠意を見せてきた。単純計算で1年13億円以上の額は、日本人野手のメジャー初契約ではマリナーズ・イチロー、ヤンキース松井秀を上回って史上最高額。3人の外野手を放出し、福留のためにポジションも空けた。家族の専属通訳なども用意するVIP待遇で、選手の顔とも言える背番号でも希望をかなえた。
福留の加入でカ軍は100年近く遠ざかっているワールドシリーズ制覇を狙う態勢を整えた。ナ・リーグ中地区の古豪は昨オフから大補強を敢行し今季は地区優勝。今オフは左打ちの強打者不在という弱点を福留で補った。ソリアーノ、リー、ラミレスら右の強打者がそろうだけに、ピネラ監督の「5番右翼」構想の福留が期待通りの活躍を見せれば悲願達成も夢ではなくなる。
ピネラ監督はマリナーズ時代にイチロー、佐々木主浩氏(日刊スポーツ評論家)らを軸にチームをつくった経験で、実戦向きの日本人選手を高く評価している。生活面でもプレー面でも、初めて海を渡る福留には文句なしの環境。シカゴでメジャーデビューする姿が現実となる。【鈴木忠平】
[2007年12月13日9時19分 紙面から]
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