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チーム単位での薬物使用疑惑も

 約90人にも及ぶリストを見ても、米野球関係者はだれも驚かなかっただろう。クレメンス、テハダ、ガニエら「ビッグネーム」にしても、数年前から常に使用疑惑はうわさされていた。全30球団に「疑惑選手」の所属経験があっただけでなく、チーム単位で使用していたという情報もあるほど、長い間、薬物使用は見過ごされてきた。

 確かに、ステロイドなど筋肉増強剤の効果は絶大だった。オフ期間に使用したと思われる選手は、見違えるような肉体でキャンプに姿を見せていた。投手なら5マイル(約8キロ)前後も球速が増し、打者は詰まったような当たりでも柵越えする。となれば、公式戦でも成績は格段にアップ。結果として、オフには好条件で大型契約を結ぶことにつながった。薬物使用が、現在の「年俸インフレ」の一因となったという声も否定できない。

 その一方で、リスクも大きかった。薬物で体を大きくした選手の多くが、その後は故障に苦しんだ。あえて具体名は挙げないが、好成績を残した翌年にケガで長期離脱した選手は、そのほとんどが薬物の影響とも言われる。急激に筋肉をつけるため、肩・ヒジ・ヒザなど関節に負担がかかり、耐え切れなくなってしまうためだった。

 今回の調査結果が、すべて正しいとも思えない。既に引退した選手を列記したことへの批判もある。また、疑惑がありながら名前が挙がらず、ホッとしている選手も多いに違いない。

 ただ、野球に限らずスポーツ選手は、地道な練習・鍛錬で上達する以外にない。パワーや本塁打に頼る米球界の在り方が、薬物禍を生み「球界最悪の1日」につながった。今後も選手のメジャー志向は衰えそうにないが、この暗部だけは日本球界にまねしてほしくない。【大リーグ担当・四竈衛】

[2007年12月15日9時35分 紙面から]

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