阪神ドラフト1位横山雄哉投手(21=新日鉄住金鹿島)が“1軍テスト”を受けることになった。実戦デビューする7日の2軍教育リーグ、オリックス戦(鳴尾浜)を、山口投手コーチら1軍首脳陣が視察する。

 1軍首脳陣はキャンプ開始後、誰もナマ横山を見ていない。当日はオープン戦の西武戦が甲子園で開催される。視察は親子ゲームのなせる業だが、開始時刻は30分しか変わらない。開幕が迫る大事な時期に、1軍コーチが持ち場を一時離れる。それでも見たい。そう思わせるだけの情報が和田監督らに届いていた。

 左胸鎖関節の炎症で2軍調整中だが回復はV字だ。2日は鳴尾浜で2度目の打撃投手を務め、キレのある直球で西田と一二三を圧倒した。変化球を交えた52球でボールも5球にとどめ、安打性は5本。クイックなど試合想定も完了した。

 前回2月23日の初登板は掛布DCに「3月のどこかで上に呼ばれてもおかしくない」と絶賛されたが、この日の本人は「打者との感覚もつかめたしこの前よりよかった」とさらに好感触。ブルペンを含めて入団最多の75球を投げ「充実した1日でした」と自信を深めた。

 1軍への道について中西投手コーチは「2、3試合は向こう(2軍)で。最低でも5、6イニング投げないと」と明かした。初登板は1回の予定だが、先発で育成する方針に従い回数を増やしていく。同コーチは横山が目指す開幕1軍は「慌てなくていい」と慎重だが、快投を続ければ…。期待はどんどん膨らんでいく。【松井清員】