この波状攻撃、4カ月前に見られたらな~。昨年の日本シリーズで苦戦したソフトバンク武田に、若虎が襲いかかった。4回に6安打集中。その締めくくりが、2戦連続で1番に起用された2年目横田慎太郎外野手(19)だ。左前へ1軍戦初の適時打で今日4日の甲子園ソフトバンク戦同行を確定。首脳陣だけじゃなく、本拠地の虎党も横田が見たい!

 新球場・四国Cスタ丸亀でフレッシュな若虎が躍動した。昨年の日本シリーズ、甲子園での第2戦で抑え込まれたソフトバンク武田に対し上本、中谷、梅野らが6単打を浴びせ3得点した。4回の猛攻、その象徴がダメ押しの5点目をたたき出した2年目横田の根性だ。

 「1、2打席でダメだったので。何が何でも打ってやろうと思っていました。当てれば何か起こると思って(指)2本分バットを短く持っていきました」

 1ストライクからの2球目、武田が投げた142キロをとらえた打球は左前で弾む。抜てきされた1軍生き残りへ懸命な横田の執念が結果になった。「何も指示してないのに、ああいうところがセンスですね。力だけじゃないんですよ」。関川打撃コーチも目を細めた。

 目の前に燃える要素があった。ソフトバンク柳田の存在だ。「すごい人。ああなりたい」と目標にするパワフルな左打者の代表格。柳田も横田を少しだけ意識していた。「フリー打撃もずっと見てましたよ。力、ありますね」。試合後、笑顔でそう評価した。2月28日のオリックス戦に続き1軍戦で2試合連続で結果を出した。今日4日からは本拠地甲子園でのオープン戦が始まる。もちろん横田はそこにも参加することになった。

 「ここからは1試合、1試合だから。次というか、明日(4日)だよね。明日は甲子園でベンチに入れようと思っている」。和田監督も、もっと見たい気持ちを隠さなかった。

 「凡打のとき、内容が悪いのが反省点です。(甲子園で)チャンスをもらえたら結果を出していきたい」。望まれて久しい、生え抜きの若手大砲、スターへ。まだまだ遠い道なれど、横田のチャレンジは続く。【編集委員・高原寿夫】