野性味を取り戻せ! 巨人は今オープン戦ワーストタイの4安打完封負けを喫した。長野や村田といった主力が不在とはいえ、オープン戦14試合でわずか1本塁打。8試合連続1ケタ安打と苦しんでいる。川相昌弘ヘッドコーチ(50)は、開幕まで残り5試合での激しいアピールを希望。主力が戻ってくるまでに、さらなる競争を欲した。

 とにかく、打てない。阿部が復帰して厚みを増したはずだったが、ロッテのチェンの前に快音はなし。制球が荒れ気味の投手に凡打を重ねた。ここ7試合で10得点と不振が続いている。オープン戦だけに結果は最重要視されるものではない。それでも原辰徳監督(56)は「懸命にやっているけど、なかなか簡単にはいきませんね」と渋い表情だ。

 1、4番が固定できず、1番には足の張りで欠場した坂本に代わって井端、4番には2試合連続で高橋由を入れたが、ともに無安打に終わった。「現状のベストメンバー」と川相ヘッドコーチが言う打線は、単打ばかり4本で連打がなく、得点を挙げることはできなかった。

 村田、長野ら主力不在の影響も否めない。だが、今季は誤算をチャンスととらえることを求めていた。「新成」をスローガンに、今までのチームを1度解体。より強いジャイアンツを作ることを主眼にし、激しい競争を求めてきた。主力がいない状況はピンチだが、出場機会に飢えた若手には絶好のチャンスになる。

 だが、生かし切れない。2軍で再調整の村田に代わって三塁で起用された中井が、3打数無安打。7回無死一塁では二塁に悪送球してピンチを広げ、失点へとつながった。期待が大きいだけに、原監督は「打つ以前の問題」と厳しかった。川相ヘッドコーチは「(今季の球団の)テーマに『野性味』を掲げたんだから、『おりゃー!』ってやってほしい。なにくそって気持ちをどんどん出してほしい」と若手の奮起を促した。

 この日は、原監督が春季キャンプ終了時に設定した、開幕メンバーをある程度完成させる「Xデー」だった。投手陣は開幕投手が菅野に決定しており、「(本人に)まだ言っていませんが、投手の方はだいたい固まってきているととらえていい」と話した。あとは、打線だ。開幕までの実戦は残り5試合。長野らリハビリ組に村田も開幕に照準を合わせてくる。「故障者も含めて、もう1つハッキリ言えませんね」と、バットでの一発回答を期待した。【浜本卓也】