8勝して決める。巨人原辰徳監督(56)は18日、リーグ3連覇へのマジックナンバー「8」を自力で消すと誓った。勝ち越しで優勝を決定づけた広島戦を終え帰京。出発ロビーで「残りは14試合?

 マジックは8。よし、あと8勝で優勝だな」と切り出し「ペナントは確かに長くて険しい道のり、高い山。でも我々にはさらにその先に、越えなくてはならない山がある。1戦必勝、のスタイルを崩してはいけない」と続けた。自分たちの足で日本シリーズまで縦走する。

 「他力本願なんて、ダメだよ。何事も。なぁ!」。聞き手の肩をビシッとたたいた原監督だった。17日の試合で広島を競り落とし、いよいよ優勝への行進が始まる。「相手のことなんて考えちゃ、ね」と、半年かけて踏んできた自分たちの足跡を大切に戦う。

 最短23日なんて空論は関係ない。14試合で8勝する。その広島戦の2回、したたかに手を打っていた。1回に4失点した先発沢村に、好機で打順が回ってきた。ここで絶妙なスパイスをまぶした。ネクストに沢村を送ってから、代打アンダーソンを告げた。もちろん「先発投手なら誰でもね、ガッカリするよね」と分かっていた。ベンチに戻り際、言った。「日曜日いくぞ!

 中3日だ」。沢村の顔にはみるみる気迫が宿った。「ブルペンに恩返し、ってやってくれるだろう」と期待した。全員でセ・リーグの頂点を極めペナントをたなびかせる。【宮下敬至】