和田阪神が総力戦で「仮想CS」へ挑む。ペナントレース大詰めで、まずは今日19日から中日との甲子園3連戦となる。1日の休みを挟んで5連戦。最後は29日からの3連戦と、大型連戦のないままレギュラーシーズンを終える。広島とは1・5ゲーム差。2位へ与えられるクライマックスシリーズ本拠地開催権が懸かった、勝負の11試合。1敗が命取りとなるだけに「短期決戦仕様」で臨む。

 2カード連続勝ち越しを決めた和田豊監督(52)は18日、空路で関西へ戻った。羽田空港では気合十分。「そういうことも考えている」と、救援陣を惜しげもなくつぎ込む腹づもりでいる。期待がかかるのは、イキのいい投球で「起爆剤」になれる3年目右腕の松田。14日に今季初昇格したものの登板がなく、指揮官は「そういう展開にならなかったけど、これからそんなことは言ってられない。いかす時はいかせるよ」と予告した。

 阪神は過去4度のCSで、まだ1度も勝ち上がれていない。苦手の短期決戦をイメージしながら、ポストシーズンへ勢いづく戦いで締めくくりたい。中日に勝てば、今日にも自力2位の可能性が復活する。タイトル争いに関わる選手も多いだけに、上り調子となって10月へ臨みたい。

 和田監督にとっても勝負の期間になる。契約最終年の3年目。来季の続投は白紙の状態になったままだ。この日、大阪市内の電鉄本社で坂井オーナーと会談した南球団社長は、前日17日に「残り全部勝て」とカツを入れている。和田監督は「それ(戦い方)は変わらない。1戦1戦でやっていく」と、失速カーブを上昇カーブへ変えていく。