キーワードは「エンジョイ」だ!

 阪神福留孝介外野手(37)が29年ぶりの日本一に向けて必勝法を説いた。CS6試合では打率3割3分3厘、2本塁打。好調なバットだけでなく、37歳のベテランとしての一仕事を誓った。

 「そういう舞台では思い切って楽しむことが大事だと思う」

 中日時代から数え、自身3度目の日本シリーズ。ルーキー時代の99年にはダイエーと対戦。1、3番として全試合にスタメン出場を果たした。そんな栄光の陰で個人成績は通算10試合に出場し、打率1割5分8厘と苦しんだ。だから初体験の上本、大和ら若いメンバーが、重圧と戦うことも容易に想像ができる。

 「僕だったり、トリ(鳥谷)、セキ(関本)、新井さんとかが雰囲気をつくっていくのが大事だと思う」

 巨人との戦いに決着をつけた18日の一戦。スタメンの中で日本シリーズを経験した野手は、西岡、鳥谷、鶴岡と福留だった。阪神にとっては9年ぶりの日本一決定戦だが、福留自身では日本シリーズは過去2度とも敗退。三度目の正直への思いは強い。「リフレッシュして次に臨むのが大事だと思う」。チームは今日21日から全体練習を再開する。全員で「エンジョイ野球」を体現し、日本一に手をかける。【松本航】