阪神2年目の梅野隆太郎捕手(23)がバズーカ発動でアピールを決めた。15日、紅白戦に紅組の6番捕手で出場。西岡の2度を含む3盗塁を鬼肩で刺した。ルーキーの昨季は1度正妻の座をつかんだが、終盤の息切れでベンチウオーマーの終戦。その悔しさをバネに、今季は143試合出場を目標に掲げる。正捕手奪回への気迫は半端じゃない。

 さすがの西岡も苦笑いでベンチに下がるしかなかった。3回、5回と2度二盗を企てたが2度とも憤死。それも間一髪ではなく、二塁手前でタッチアウトにされた。自慢のバズーカを発動し、仁王立ちしたのは2年目梅野。正捕手奪回へ、かつての盗塁王を完封する猛アピールだ。

 梅野

 いい送球もありましたし、久々の実戦で楽しくできたかなと思います。

 背番号44も誇らしげだ。西岡だけでなく5回には荒木の二盗も刺した。合計3盗塁を試みられたが、全部仕留めて阻止率10割。しかもすべてが地をはうような弾丸ストライクだった。バッテリー間の呼吸もあるが、5人中3人に走られた小宮山とは対照的。打撃は無安打だったが、「投手が投げたい球を投げさせた」と能見やメッセンジャー相手に冷静なリードも光った。

 梅野

 去年は無我夢中のシーズンで勉強の1年でした。でも慣れてくると課題も見つかりました。今年は“それ”を糧に使ってもらえる選手になりたいです。

 昨季、阪神の新人捕手では69年田淵幸一以来の開幕戦出場を飾り、同じく田淵以来45年ぶりの初安打もマーク。そこから順調にスタメンに定着し、92試合に出場した。だが終盤にきて体重が最大10キロ減るなど息切れ。ポストシーズンは鶴岡と藤井の両ベテランにマスクを譲り、ベンチから見守るしかなかった。梅野が糧と言う“それ”とはその時の無念の日々のこと。リベンジへの意気込みは半端ではない。

 梅野

 変わる。変わった姿を見せて、成績も去年より上回れるようにしたい。

 昨年の秋季キャンプは「量を意識して」バットを振りまくった。オフの自主トレ期間中も、故郷福岡で友人トレーナーにメニューを作成してもらい、本格的に肉体を改造。そしてビルドアップして乗り込んだキャンプでは、12日に和田監督の400本ノックに耐え、「あいつ、強いよな」と変身した梅野を印象づけた。

 梅野

 信頼される捕手になりたい。もちろん全試合マスクをかぶりたいです。

 今年は正捕手の座を鶴岡さんにも藤井さんにも渡さない!

 3月27日中日戦の開幕マスクはオレ!

 たくましくなった梅ちゃんが、進化の春だ。【松井清員】