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第12回スペイン大会

ストーンズが歌いお祭りに


 Aマドリードのホームスタジアム、ビセンテ・カルデロン。特設ステージに飛び出したミック・ジャガーは、スペイン国旗を体に巻いていた。

 大会は佳境、ちょうど2次リーグが始まった直後だった。ローリング・ストーンズと元RマドリードGKフリオ・イグレシアスのコンサートは、W杯が初めて取り入れた「盛り上げイベント」だった。

 大会を追うごとに規模を大きくしていったW杯は、すでにサッカーの枠を飛び越えていた。開催は社会的なイベントとなり、FIFAも大会を成功させるために、あの手この手のPR活動を始めていた。その1つが「文化イベント」だ。

 クラブレベルではRマドリードやバルセロナが世界的な名声を得ていたスペインだが、代表チームは大きな成功を収めたことはなかった。代表への関心も、クラブへのものに比べて強くなかった。もちろん、大会そのものに対する関心も、今では考えられないほど薄かった。2次リーグでも、欧州近郊の人気チームが出る試合以外は、スタンドもガラガラだったのだ。だからこそ、スペイン国民も大好きな音楽で大会ムードを演出するしかなかった。

 この大会で始まった盛り上げのための「文化イベント」は、この後も継続的に行われた。大会の度に、組織委員会が、開催地が、多くのイベントを組んだ。02年大会では、初めてFIFAが主催。エアロスミスとB'zが決勝戦を前に東京(味の素)スタジアムに5万人のファンを集めた。

 サッカーというスポーツの大会から社会的なイベントへ、単一の競技だけでなく、様々なものを巻き込んでW杯は成長した。

















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