アントニオ猪木参院議員(73)が27日、都内のキューバ大使館を訪れ、25日に90歳で死去したフィデル・カストロ前国家評議会議長を悼んだ。

 この日午後から大使館で弔問の受付が始まったことを受け、午後2時過ぎに訪問。トレードマークの赤いマフラーの代わりに黒いマフラーをして、記帳台に歩み寄った。カストロ氏の遺影の前で「最後に残った時代の偉人 コマンダンテ(最高司令官) アントニオ猪木」と記した。

 この日未明に報道各社へのファクスで追悼コメントを発表したため、記者の取材は受けず、大使館を離れた。コメントは以下の通り。

 「フィデル・カストロ議長のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。また時代の大きな星が散ってしまったと、痛惜の念に堪えません。議長は、懐の深い人物でした。私を友人猪木と呼び、お酒を酌み交わしながら多くのことを語り合った思い出を忘れることはないでしょう。在りし日の姿をしのび、ご家族と、国民の皆様に謹んで哀悼の意を表します」

 猪木氏は1990年に初めてキューバを訪れ、カストロ首相(当時)と会談。同国の無人島をプレゼントされ、カストロ氏に「友人・猪木の島」と命名された。同氏との交流を続け、2012年にはキューバ友好勲章を授与された。