★中国の習近平国家主席と北朝鮮の金正恩総書記の首脳会談について8日、官房長官・木原稔は「中朝関係を含め中国および北朝鮮を巡る情勢については、重大な関心を持って関連情報の収集・分析を行っていく」と強い関心を示した。一方、去年の自民党総裁選や衆院選で対立候補や野党候補を首相・高市早苗陣営が誹謗(ひぼう)中傷動画を作成したという疑惑については「政府としてコメントは控える」とした。いずれも首相が火種と言えるが、誹謗中傷動画疑惑については歯切れが悪い。

★政界関係者が言う。「首相の説明がつかない言い訳は国民から見れば見苦しいと思うだろうが、なかなかうまい。のらりくらりとかわしながら争点のすり替えと多彩な答弁で逃げ切ろうとしている。防衛相・小泉進次郎や総務相・林芳正ら総裁選挙で中傷された当人が告発でもすればともかく、週刊文春頼みの野党は追い込み切れるだろうか。首相の秘書・木下剛志と動画を作成したという起業家・松井健の関係が証明されたところで、違法性を認定できるか。そこにたどり着いて初めて首相との連座制が疑われる。国会で虚偽答弁をしたこと、国民に噓をついたことが証明されるまで国会開会中の7月17日までに事態は動くだろうか」と疑問を呈する。官房長官の歯切れの悪さも、会期末までしのげばという思いだろうか。ただ首相が抱えている問題は中傷動画疑惑だけではない。

★北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会機関紙・労働新聞が8日、習の寄稿を掲載。「中朝関係を『高い水準の戦略的協力』」と位置付け「われわれは地域の安全と安定を脅かす覇権主義や強権主義、軍国主義復活のあらゆる試みや陰謀に反対しなければならない」と名指しこそしないものの日本に向けられていると言え、米中、中ロと対日戦略を進めてきた中国の日本包囲網が中朝会談で確認されたといえる。寄稿には「運命を共にする社会主義隣邦」というくだりもあり、米ロ北の賛同を得て日本への圧力が強まる可能性が高い。外交を平常化するための退陣が外交的俎上(そじょう)に乗る確率も高い。中傷動画疑惑も中国の怒りも国内では突っ張り続けていくものの「体調不良での退陣」というシナリオは念頭に置くべき時期が来るのではないか。(K)※敬称略