<フィッシング・ルポ>
〈一発必釣〉で偉業達成!
「2010日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」磯&釣具店ブロック・メジナ部門の伊豆&駿河湾地区決勝大会が14日、南伊豆・石廊崎(静岡)で開催された。4地区の予選会を勝ち進んだ代表選手ら計21人が競釣。潮温が低く魚の食いが渋る中、〈ソフト&スロー釣法〉に徹したシード選手(昨年度覇者)の大森茂樹さん(39=静岡県伊東市)が、唯一のヒットで39・4センチ(830グラム)を仕留め、同大会史上初の連覇を果たした。
今回の参加者は、決勝大会の会場になった石廊崎の「橋本屋」と、隣の大瀬の「倉の下」、西伊豆・雲見「佐市丸」、それに沼津の「沼津釣具センター」から各5人ずつの代表選手と大森さんを含めた計21人だ。
渡船は、午前6時すぎ。沖磯の釣り場は、朝の抽選で引き当てたくじの番号順に、渡船担当の「橋本屋」の山本一人船長(36)が選択し、シードの大森さんは21番で渡船順もラスト。最初はエホンだったが、途中から北東風が強まり、山本船長は急きょ危険性の高い場所にいた選手たちを避難させ、安全な磯へ移動。大森さんは大根でサオを出した。
だが、魚の反応が鈍い。潮温は14度台だったが、底の潮が冷たいらしい。釣り場によってはエサ取りすらない。最終的に午後1時のストップフィッシングで釣果を提出したのが、21人中6人だったことからみても苦戦ぶりを物語る。
そんな中で、大森さんは「活性が低いメジナは深みにいる」と読み、釣り方も「ゆっくり落とし込み、魚がいるタナにエサを漂わせて食わせることが重要」と考え、徹底した〈ソフト&スロー釣法〉で攻めた。
ポイントは小島向かい。足元のサラシ(白泡)に仕掛けを投入。サラシに流されながら、ゆっくりとウキごと沈み、10メートルぐらいの層で漂う。付けエサはオキアミの1匹掛けで、一発で食い込むように、頭部としっぽは落とし、ハリ先を出さずにセット。コマセも深く広くタナを探ることを狙って、オキアミ3枚と配合エサはマルキユーの「V10スペシャル」2袋と「グレ起爆剤」1袋を混ぜ合わせたものを使用。付けエサと同調するように、こちらもサラシの中にまいた。
それでも、ノーヒットが続いたが、午前11時50分すぎだ。サラシの切れ目でラインが引っ張られるアタリがきた。やりとりはわずか2分ほど。これが、2位と4センチ弱差となるメジナで、まさに唯一のアタリで仕留めた〈一発必釣〉が連覇の偉業へ導いたのだ。
大森さんの磯釣りは独学で、キャリアは約6年半。釣友たちで構成する「FFC海攻MATE」にも所属しているが、実は石廊崎がホームグラウンド。「渡船順番も含めハンディを克服できたことがうれしい」と話す。来年度のシード権も獲得して、「今度こそ40センチ超で3連覇を目指したい」と、新たな目標に意欲を示していた。
2位は、35・5センチで「沼津釣具センター」代表の仁和均さん(51=静岡県沼津市)、3位に「橋本屋」代表の小野島正さん(47=神奈川県中井町)が33・6センチで入賞した。【長瀬川忠信】
◆大会成績(メジナ1匹の全長で同長の場合は重量審査)
(1) シード・大森茂樹(39=静岡県伊東市)39・4センチ830グラム(2)沼津「沼津釣具センター」代表・仁和均(51=静岡県沼津市)35・5センチ830グラム(3)石廊崎「橋本屋」代表・小野島正(47=神奈川県中井町)33・6センチ620グラム(4)大瀬「倉の下」代表・賀川重人(44=横浜市)32センチ560グラム(5) 「沼津釣具センター」代表・長田知久(40=静岡県三島市)31・5センチ500グラム(6)「沼津釣具センター」代表・渡辺正樹(43=静岡市)30センチ430グラム(敬称略)
◆賞
見事、連覇を達成した大森さんには、がまかつ提供の高級磯ザオ「がま磯
RXR
1・25号
5・3」(4万1000円相当)とカシオ計算機提供の多機能付き電波時計「プロトレック
PRW-1500」(4万5000円相当)など豪華副賞を、上位入賞者にマルキユー&日刊スポーツオリジナルライフジャケットなどが贈られた。また、ジャンケン大会で、「橋本屋」代表の渡辺浩さん(44=千葉県野田市)が「箱根湯本ホテル」ペア宿泊券を引き当てた。
〈主催〉日刊スポーツ新聞社、日刊スポーツ新聞社指定・共栄会
〈協賛〉がまかつ、マルキユー、カシオ計算機、香港政府観光局、デューク、箱根湯本ホテルほか
▼渡船
日刊スポーツ新聞社指定「橋本屋」
電話0558・65・0108。渡船は午前5時30分集合(4月から変更あり)1人5000円。宿泊も可能。
▼交通
車利用が便利。詳細は要確認。
◆大会運営委員長・柳下光康さん(66=日刊釣りペン・クラブ)評
潮温が最も低い時季であり、メジナも活性が鈍く、目の前にエサを漂わせなければヒットは難しい。当然、コマセワークが重要。大森さんは、決勝大会の舞台である石廊崎の磯に精通しているとはいえ、それを読み、仕掛けをコマセと同じ速度で沈下するように微調整しながら攻め、連覇を果たしたのは称賛に値します。
◆審査委員長・飯村健治さん(47=日刊釣りペン・クラブ)評
大森さんは、石廊崎がホームグラウンドという有利さはあったが、魚の活性が低いのに対応した工夫が目を引いた。例えば、食い渋り対策で、付けエサのオキアミの頭部としっぽを落とし、のみ込みやすいようにしていたし、魚が深みにいると読んで、ウキごと沈める〈ウキ沈め釣法〉で狙うなど、臨機応変の釣り方が勝因でしょう。

