スピードスケートの新種目、マススタート女子で金メダルを獲得した高木菜那(25=日本電産サンキョー)が25日、右膝治療のため長期休養する可能性を示唆した。

 同種目の初代金メダリストに輝いたレースから一夜明け、平昌で会見。3月17日からベラルーシで行われる今季のW杯最終戦には出場せず、「まずはリハビリに専念したい」と昨季痛めた右膝の回復を優先させる意向を示した。

 秋以降に始まる来季についても現時点でプランは白紙。「やるにしても膝を完璧に治してから。気持ちが落ち着いてから考えたい」と復帰時期を定めず治療に専念していく方針だ。

 2度目の五輪となった高木菜は、妹美帆らとともに団体追い抜きで金メダルを獲得。マススタートでは、最終16周目の最終コーナーで内側から一気に抜け出す巧みなレース運びで頂点に立った。日本勢の女子として五輪1大会で2個の金メダルは史上初。「まだ実感はない」としながらも、「仲間と一緒に結果を残せたのはスケート人生にとってかけがいのないものになった」と喜びを語った。

 五輪に向け、年間300日以上をナショナルチームで活動してきた。張り詰めてきた緊張感からようやく解放され、会見を終えると、リラックスした表情でチームメートと談笑した。身長155センチの金メダリストは「白いご飯が大好きなので、おいしいご飯の食べ比べをしたい」と笑顔で帰国する。【奥山将志】