20人の親方、関取に聞きました お勧めのうまい店はこちら!

1月3日に放送された「マツコの知らない世界」(TBS系)に出演し、「相撲めしの世界」をプレゼンする機会をいただきました。

番組では「全国絶品えびすこグルメ名店MAP」として、関取や親方がおすすめする名店をリストアップしました。放送しきれなかったお店やエピソードを、当欄で紹介します。

今回から始まった「イチロー大相撲」では、日刊スポーツ・プレミアムの佐々木一郎編集長が、大相撲にまつわる話題を順次紹介していきます。

大相撲

親方衆は、うまい店を本当によく知っています。「食べることも仕事」と言われる力士にとって、食への興味は尽きません。

年3回の地方場所だけでなく、季節ごとの巡業で全国を回ります。地元の有力者、後援者から誘われることも多く、年を重ねるごとに地元の名店に詳しくもなります。

親方、関取に個別に聴き取ったおすすめ店を紹介します。

安治川親方(元安美錦)が推薦
中華うどん・一平(福岡県久留米市)

うどんの店ながら、麺はラーメンという「中華うどん」。

安治川部屋は2023年の九州場所から久留米市に宿舎を構えている。親方は今回滞在中に8回も通ったとか。

「想像している味とは全然違って、あっさり何杯でもいけます。3~5杯はいつも食べます。肉メシが最高なんだけど、カツ丼してみたら、これまたうまい」

麺をテイクアウトして二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)に勧めたところ、同親方もハマってこっそり食べにいっていたというエピソードも教えてくれた。

稲川親方(元普天王)が吐露
すし亭幹(大阪府堺市)

すし店ながら、鍋やふぐ料理も看板メニューで「てっちりコース(冬季限定)」やすっぽん鍋コースもある。

稲川親方は相撲関係者で会食した際の「裏メニュー」が「最高にうまかった」とのこと。グルメで知られる親方が、真っ先に挙げた店だけに、奥が深そう。

岩友親方(元木村山)が歓喜
地どり焼 藤田屋(大阪市東成区)

七輪で肉を焼く、地どり専門の人気店。

「現役の時から通っています。リーズナブル。今里にある店で、めっちゃうまい。鶏を炭で焼くんです。連れて行った人が必ず喜んでくれます」。

浦風親方(元敷島)が称賛
土紋(青森県弘前市)

美食家で知られる親方は、全国各地のおいしい店を知り尽くしている。そんな中、推薦してくれた店は弘前市の名店。

「酒飲みには最高の店。日本酒は豊盃だけ扱っている。『いがめんち』が最高なんだよね。つまりイカメンチで、げそを包丁でたたいて作るメンチカツ。おつまみは、どれもおいしい」。

豊盃は、今評判の日本酒。話を聞いているだけで、ぜひ行ってみたくなった。

阿武松親方(元大道)が推奨
ホルモン焼 きのした(千葉県船橋市)

阿武松部屋は千葉県習志野市にある。阿武松親方は、地元に近い店を挙げてくれた。

「塩ハラミがうまいんです。阿武松部屋の力士も行っていますが、都内の部屋からも力士が来るそうですよ」。

大嶽親方(元大竜)の贔屓
あじ平(大阪市福島区)

大嶽親方は大阪出身だけに、大阪の店に強い。紹介してくれたのは、ふぐ料理の名店。

「てっちりがうまい。後援会長がやっている店なんですよ」。

てっちり、てっさ、湯引き、唐揚げ。ふぐ料理ならなんでもある。

押尾川親方(元豪風)の故郷
紀文食堂(秋田市)

秋田出身の押尾川親方は、地元の店を2件、推してくれた。

お店に手紙を書いたところ、メールで写真を送ってくれた。しかし、送り主は、店からではなかった。

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スポーツ

佐々木一郎Ichiro Sasaki

Chiba

1996年入社。2023年11月から、日刊スポーツ・プレミアムの3代目編集長。これまでオリンピック、サッカー、大相撲などの取材を担当してきました。 X(旧ツイッター)のアカウント@ichiro_SUMOで、大相撲情報を発信中。著書に「稽古場物語」「関取になれなかった男たち」(いずれもベースボール・マガジン社)があります。