いよいよ今週は今季最後のメジャー、全米プロ選手権です。メジャーは英樹はもちろん、誰もが本気で取りに来るタイトルで、ほかの大会とはちょっと意気込みが違います。

 英樹は6月全米オープンの後は7月全英オープン、翌週のダンロップ・スリクソン福島オープン、先週のブリヂストン招待という日程でした。今年序盤に好成績を出したこともあって、1年目の昨季より試合を絞って出場することができました。福島オープンの時、僕はお休みをいただいていたのですが、最終日は見に行きました。そこで10バーディーを奪って64と猛チャージした英樹、盛り上がる地元東北の方々、まさに選手とギャラリーが一体となる姿を見ました。あらためて英樹への期待の高さを実感し、それを全米プロでも再現したいと思いました。

 英樹は全英帰りの強行日程だったけど、愚痴ひとつ言いませんでした。今の立場がそうさせるのでしょう。「出場するからには…」という本人の思い、プライドもあったはず。アマで優勝し、大学生でプロになって賞金王になった時は、忙し過ぎて余裕は今ほどではなかったかもしれません。今は、米国で日本ゴルフ界の代表のような扱いを受けます。実際に今週のパワーランク(優勝予想)は9位、先週は4位で、全米オープンでは3位。その数字に一喜一憂も気負うこともなく、自然に受け止められています。

 今回のコースは海沿いで景色はきれいですが、やはりタフなコース。バーディーも取れるけど、難しいホールは難しく無理はできません。特に地面がむき出しになったウェイストエリア(荒れ地)はやっかいです。注目はローリー(マキロイ)とジョーダン(スピース)の世界ランク1位争いですが、その優勝争いの中に入っていきたいと思います。新聞やテレビで大きく報道されて、「ゴルフってすごいな、人気があるんだな」と思っていただけるように。日本ゴルフ界のためにも頑張りたいです。(2015年8月13日付紙面掲載)