首位発進した石川遼(24)の最大の見せ場は前半最終ホールとなった18番パー5だった。残り210ヤードの左ラフから7番アイアンでピン奥3メートルに2オン成功。フライヤーとグリーンの硬さを踏まえ「グリーンに直接落としたら奥までいってしまうので、手前のカラーかエッジに落とせれば」とイメージし、転がし上げた。イーグルパットも見事に沈めた。

 この日はドライバーでなかなかフェアウエーをとらえられなかったが、「自分の中ではこれが普通なんです。フェアウエーに行かなくてもガッカリすることはほとんどないです。そこからどうスコアをつくっていくか、そこからが始まりなので」と話す。まさにその通りの66だった。

 2月に腰の故障で米ツアーを離脱。治療とリハビリなどを経て、7月日本プロ選手権で戦列に戻ったが、アイアンの距離感や試合勘が本来のものではなく、予選落ちした。その後は「リズムを一定に打つこと」をテーマに練習を重ねた。ここ2週間ほどで「このゴルフをできれば大丈夫なんじゃないか」と思うまで復調し、この日「その感覚が間違ってなかったと思う」と手応えを口にした。