上原彩子(32=モスバーガー)が米女子ツアー史上4人目となる1大会2度のホールインワンを決めた。前日の11番に続き、8番で達成。2イーグル、2バーディー、1ボギーの67で回り、通算12アンダー、276で今季最高となる10位に入った。

 164ヤードの8番パー3、7番アイアンで放ったティーショットは「イメージ通り」にピンへ向かった。「入れ!」。上原の声が届いたかのように、グリーン周辺のギャラリーが沸いた。第3ラウンドの11番158ヤードのパー3に続くホールインワン。「最高にうれしい。すごく思い出に残るトーナメントになった」と満面の笑みを浮かべた。

 4番パー4ではフェアウエーから残り約150ヤードの第2打をカップに放り込んでイーグルを決めていた。ハーフ「31」の猛チャージが効いて、米ツアー4度目のトップ10フィニッシュ。後半伸ばせなかった悔しさをのぞかせつつも「いい形で終われてすごく良かった」と充実感をにじませた。

 昨年9月、以前に見てもらっていたオーストラリア人コーチのイアン・トリグス氏と再びタッグを組んだ。無駄を省くスイング改造が開幕に間に合わず、いきなり5試合連続の予選落ちとつまずいた。それでも、試合の終わった日曜、深夜便で次戦会場へ向かいながら睡眠時間を確保することもある過酷な米ツアーに本格参戦して4年目。自分を見失うことなく徐々に調子を上げ、これで3試合連続トップ20キープとなった。

 賞金ランク75位。80位までの賞金シードを確実にするためにも、9月末からの6試合にわたるアジアシリーズに参戦できる60位前後までは上げておきたいところだ。「(9月半ばまでの)この3週間はとても大事。アジアシリーズに行くことが一番の目標」。連日の離れ業を勢いに変える。

 ◆同一大会2度 米女子ツアーではジョー・アン・ウォシャム(米国、79年ケンパー女子オープン)ジェニー・リドバック(米国、97年クライスラー・プリムス・クラシック)ローラ・ディアス(米国、14年起亜クラシック)が達成。日本では81年北陸クイーンズで池渕富子が第1日8番、最終日16番で決めている。

<ホールインワン・アラカルト>

 ◆同一年同一大会同一ホール 10年の日本男子ツアー、VanaH杯KBCオーガスタ第3日8番パー3(165ヤード)で、上井邦浩が、第1日に続いてホールインワン。史上初の快挙としてギネス認定された。

 ◆パー4で 98年中日クラウンズ第2日1番(341ヤード)で中嶋常幸が達成、奇跡的なアルバトロス。

 ◆1日2度 06年米男子ツアーのリノタホオープン第2日に宮里優作が7番(220ヤード)と12番(186ヤード)で達成。55年インシュランスシティーオープン第1日にアマチュアのW・W・ビル・ウェドが5番と9番で決めて以来51年ぶり。

 ◆1日3度 76年に米フェニックス近郊のコースで、アマチュアのハロルド・スナイダーさんが1ラウンド3回のエースを達成。