【オーガスタ(米ジョージア州)4日(日本時間5日)=亀山泰宏】今日6日に開幕する男子ゴルフの今季メジャー初戦、マスターズ(米ジョージア州オーガスタ・ナショナルGC)で日本男子初のメジャー制覇へ向けた松山英樹(25=LEXUS)の戦いがスタートする。状態の悪さを自覚しつつ「(期待は)ゼロではない」と話し、少しずつでも上向いていることは確か。予選ラウンドはリッキー・ファウラー(28=米国)ラッセル・ノックス(31=英国)と同組となった。

 2週前のデル・マッチプレーで予選敗退となり「期待はゼロ」と言った松山のマスターズが迫ってきた。拠点のあるフロリダへ戻っている間も心は落ち着かなかった。「練習、毎日やってたんで。休みより、時間がないっていう焦りの方が大きかったんで、毎日やってました」と振り返る。

 ショットの状態は満足には程遠い。「年末に比べたら、今の状態はすごく落ちています」と不安を隠さず、7位となった昨年と比べても「去年もいいとは思わなかったですけど、今年の方が悪いのは間違いないですね」と言い切る。谷原と18ホールを回った練習ラウンドでは、13番で第1打を右の林に入れるなど、ドライバーに納得がいかず打ち直す場面が散見。ラウンド後の練習もショットだけで2時間近くに及んだ。

 わずかにだが、前進している。「(フロリダの)家で練習してる方が悪かったんで。マッチプレーより悪い状態になってたんで。こっちに来て、少しは良くなったかなっていう感じはありますね」。照準を定めてきたオーガスタの空気が、スイッチを切り替えてくれた部分もある。公式会見では「やっと、この日を迎えたなという感じはあります。やっぱり優勝を目指して来ていますし、しっかり仕上げて、木曜から楽しみな4日間にしたいと思います」と意欲を口にした。

 初めてマスターズを見たのは97年。当時21歳のウッズ(米国)が2位に12打差をつけて大会史上最年少優勝を飾った。「最終日の赤黒(のシャツとパンツ)がすごくかっこよかったなっていう印象がすごく強くて。ゴルフの内容は全然覚えてないんですけど、とりあえず飛んでたなという印象があります」。20年後、憧れた舞台に優勝候補として立っている。