<女子ゴルフ:ヨネックスレディス>◇2日目◇29日◇新潟・ヨネックスCC(6304ヤード、パー72)◇賞金総額6000万円(優勝1080万円)

 今季初優勝を狙う古閑美保(27=キリンビール)が68で回り、通算7アンダーの137で2位に浮上した。厳しく指導してきた師匠の清元登子プロが、今夏から戦略変更で「ホメホメ作戦」を実施中。この日も前日に苦しんだパットを褒められ、気分よくスコアにつなげた。コースとの相性、逆転優勝の経験の多さから、首位の全美貞(26)と4打差にも自信を見せた。

 首位とは4打差にも、古閑は強気だった。「ちょっとずつ追い詰めていけば。7、8アンダーは出るコースなので逆転はあるんじゃないかと思います」。17番ではボギー、最終18番パー5ではバーディーチャンスを逃す終わり方にも、暗さはなし。「(清元プロから)『悪くないから試合に出てれば上位にいけるよ』と言われているので」と自信の根拠を説明した。

 実は夏以降、指導法が変わっていた。清元プロは「戦法変えたんですよ。あんまり言うと萎縮(いしゅく)するから。ああいう性格だから乗せないと。伸び伸びやるでしょ」と明かす。古閑はいいも悪いも「調子に乗りやすい」タイプ。昨年11月LPGAツアー選手権リコー杯優勝で賞金女王を決めた時、師匠は「棚からボタもちね。これから手綱を締めるのが大変だわ」と叱咤(しった)するなど、厳しく指導してきたのが、一転した。

 前日、パットを打ち切れずにショートすることについて、古閑がかけられた言葉は「大丈夫」。悪い点を指摘するのではなく、自信を持たせてくれた。その効果でこの日はショートはせず、5番では5メートル、14番では7メートルを沈めた。

 先週のCATレディースでは、最終日首位発進も1打差で敗れた。だが、今大会は03年にツアー初優勝を飾り、出場5回でトップ5が3回と好相性のコース。過去に66を2度も出している。さらに通算11勝のうち7度が逆転優勝で、4打差以上は3回ある。「パー5を全部取らなきゃ。(7、8アンダーは)かみ合えば出る!」。師匠の「ホメホメ作戦」で気分はノリノリ。秋以降に弾みをつける優勝へ、シナリオはできているようだ。【阿部健吾】