<女子ゴルフ:CATレディース>◇最終日◇22日◇神奈川・大箱根CC(6653ヤード、パー73)◇賞金総額6000万円(優勝1080万円)

 福嶋晃子(37=NEC)が引退危機を乗り越え、完全優勝で復活した。初日から首位で迎えた最終日は6バーディー、2ボギーの69で回り、大会新の通算14アンダーの205をマーク。08年7月スタンレーレディス以来、約2年ぶりのツアー通算24勝目を挙げた。昨年2月に胆石の手術を受けてから体調が戻らず、昨季は未勝利。一時は引退も考えたが、食生活を野菜中心に変え、クラブも日々替えるなど、地道な努力で復調。元女王の底力を見せた。

 福嶋は18番で約1メートルのバーディーパットを沈めると、涙が止まらなくなった。約2年ぶりのツアー通算24勝目。「次の優勝はないと本当に思っていた」。引退危機を乗り越えての復活に、表彰式が終わっても、何度もタオルで目頭を押さえた。

 3番のボギーで初日から守っていた首位から陥落したが、13番からの連続バーディーでトップに並ぶ。昨年3日間ボギーをたたいた17番でも1メートルにつけてバーディー、再び単独首位に立った。最終18番は第1打を右に大きく曲げたが、第2打で約1メートルの大木の間を通してフェアウエーへ。バーディーのウイニングパットにつなげた。

 「去年の手術後、なかなか体調が上がらず、いつ辞めようかと、そればかり考えていた」。昨年2月、2センチと1センチの2つの胆石が見つかった。両親も患った「胆石家系」。除去のため、胆のう全摘出手術を受けた。「盲腸みたいなもの」と軽く考えていたが、手術後から地獄が始まった。

 大好きな肉が食べられず、ベーコン1枚でも気持ちが悪くなった。脂ものを取りすぎると、下痢、吐き気に襲われた。体調も日替わりで、体のだるい日が増加。ツアーでは最終日まで体力が持たず、チャンスを逃した。若い世代が活躍する中、昨季は未勝利に終わった。

 「今年までかな」「来年でやめる」。周囲には何度も弱音を吐いたが、元女王の意地もあった。食事を野菜中心に切り替え、体質改善を図った。日替わりの体調に合わせ、ドライバーも長短、硬軟と毎日調整。7月からの1カ月間のツアー休止期間はしっかりと静養して体力を温存した。再開後の前週NEC軽井沢72で2位。復調を感じていた。

 ツアー通算24勝目。30勝の永久シード権まであと6勝。ロッカー室では若手からおばさん扱いを受けることもあるが、300ヤードを飛ばす飛距離は健在。「まだまだこれで終わりじゃない。頑張らないと」。復活した元女王が、世代交代に待ったをかける。【田口潤】