<女子ゴルフ:スタンレーレディス>◇最終日◇17日◇静岡・東名CC(6500ヤード、パー72)◇賞金総額9000万円(優勝1620万円)

 諸見里しのぶ(25)はツアー最多の8連続バーディー(1イーグル含む)とハーフ最少の27をマーク、通算11アンダーで3位に入った。

 有村だけでなく、諸見里にもゴルフの神様が降臨した。開始1番からバーディーを重ね、7番でツアー最多連続記録に並ぶと、8番はイーグルで更新。一気に首位にも立った。前半スコア27は男女ツアーを通じて最少。優勝争いと記録を意識した9番からはノーバーディーでスコアは64。ラウンド後は「(58の)遼クンを抜けたのに」と苦笑いした。

 5月のヨネックスレディスで約2年半続けた予選通過記録を止めた。その後も3週で2度も予選落ちの屈辱にまみれた。連続予選落ちとなった6月のニチレイレディス後は約20センチも髪を切り、山梨で滝修業も行った。どん底を抜けるのに必死だった。

 浮上のきっかけは、前週の全米女子オープン。宮里藍、美香の首位争いを間近にして「自分にもチャンスがある」との思いを強くした。サッカー日本代表の長友佑都の自伝「日本男児」と、長谷部誠の著書「心を整える。」からも、勇気を得た。「言い訳をしたり、人のせいにしてはいけない。自分を強く持たないと」。この日もミスを恐れず、ドライバーを振り抜き、バーディーラッシュを呼び込んだ。

 前日16日は25歳の誕生日だった。熱中症気味だったため、誕生会などはせず、午後8時半には寝て最終日に備えた。最高の25歳のスタートに「(自分への)いいプレゼントになった」と完全復活への手ごたえをつかんでいた。