<米男子ゴルフ:RBCヘリテージ>◇最終日◇20日◇米サウスカロライナ州ハーバータウン・リンクス(7229ヤード、パー71)◇賞金総額580万ドル(約5億8000万円)優勝賞金104万4000ドル(約1億440万円)

 石川遼(22=CASIO)が4バーディー、2ボギーの69で回り、通算3アンダー281の18位に入った。第1日に77の124位と出遅れたが、第2日以降だけを取ると全体1位。理想のスイングができないなりにスコアをまとめたり、風が強い難コースに合わせた球筋を用いたりと、高い対応力が光った。マット・クーチャー(35=米国)が、同11アンダーでツアー通算7勝目を挙げた。

 秒速10メートルの海風が吹き荒れる最終18番パー4。石川は残り189ヤードの第2打を、4番アイアンの低いドローで狙った。20ヤード近く左方向に曲げてグリーンに乗せ、手前2メートルにピタリ。風の影響でバーディーパットは惜しくも外れた。それでも林間を風が向きを変えながら吹き抜ける難コースを、低空ショットを中心に打ち分け攻略。「今週はコースが求める球筋を打っていけた」とうなずいた。

 第1日はショット、パットともに精彩を欠き、ブービーの124位と大きく出遅れた。第2日以降も、スタート前の練習場では思うようなスイングができなかった。しかしスタートすると球の高低、左右の曲がりを使い分け、ショットをピンに絡め続けた。

 石川

 コースに出たら集中して、必要な球を打っている。自分の持ち球をあえてつくらずに、コースがどんな球筋を求めているのかを感じて、素直にそれを打つ。なぜこのホールはこんな構造なのか、意味を読み解くのが楽しい。

 国内ツアーでも2度しかなかった3ケタ発進からの予選通過を、米ツアーで成し遂げたのは、柔軟な対応でカバーできたからだ。

 第2日以降の合計打数なら、全体1位になる。手応えを得た一方で、滑り出し次第で優勝を争えたという思いもある。明るい表情で取材エリアを去ったが、その後には悔しさもにじませ「このコースで将来勝ちます」と誓っていた。【塩畑大輔】