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元時津風親方を逮捕、縛りつけての暴行も

元時津風親方の逮捕秒読みに大勢の報道陣が集まり、その前をパトカーが巡回
元時津風親方の逮捕秒読みに大勢の報道陣が集まり、その前をパトカーが巡回

 大相撲時津風部屋の序ノ口力士、時太山(当時17、本名斉藤俊さん)が昨年6月に急死した問題で、愛知県警捜査1課と犬山署は7日、制裁目的の暴行などで死亡させた傷害致死罪で、先代時津風親方の山本順一容疑者(57=元小結双津竜)と兄弟子3人を逮捕した。愛知県警によると、山本容疑者は、斉藤さんをてっぽう柱に縛るよう指示していたという。力士の死亡問題で、逮捕者が出るのは初めてで、度を越したけいこに対し、捜査のメスが入った。

 ついに土俵に捜査のメスが入った。逮捕されたのは山本容疑者と兄弟子の西幕下58枚目明義豊こと木村正和容疑者(24)、東序二段筆頭怒濤こと伊塚雄一郎容疑者(25)、西序二段86枚目時王丸こと藤居正憲容疑者(22)の計4人。この日午後、愛知県警の任意同行に応じ、山本容疑者は午後7時59分に愛知県警本部で、兄弟子3人も同50分と54分に犬山署と春日井署で、傷害致死の疑いで逮捕された。

 この日会見した舘喜代孝捜査1課長によると、昨年6月25日昼に愛知県犬山市の部屋宿舎から逃げ出した斉藤さんを兄弟子たちが連れ戻し、同日夜に山本容疑者が説諭しながら、額をビール瓶で殴打。さらに兄弟子たちに「おまえらもやってやれ」と指示した。その際に「てっぽう柱に縛り付けておけ」と言ったという。斉藤さんは約20分、てっぽう柱にひもで縛られるなど、木の棒まで使った暴行は午後10時ごろまで続けられた。

 翌26日は午前11時から兄弟子数人で囲み、通常5分程度のぶつかりげいこを30分以上続けた。数十発の張り手や蹴りに、この日は金属バットでの暴行も加わった。「暴行を受けてる間はほとんど無言だった」(同課長)と無抵抗で耐える斉藤さんは、多数の皮下出血やあばら骨を折るなどした。

 同県警では、現役力士にぶつかりげいこをしてもらい、血液中の乳酸値などを測定。「ぶつかりげいこの範ちゅうにないと判断した。それを立証するため慎重な捜査を行った」(同課長)。その結果、30分に及ぶぶつかりげいこが異常であると判断。2日間にわたる暴行が斉藤さんを死に至らしめたと結論付けた。

 これまでの調べに対し、山本容疑者はビール瓶で殴ったことは認めたものの「暴行の指示はしていない」と主張。だが同課長は「相撲の世界は親方が絶対的な存在。親方の指示なしにはありえなかった」と、山本容疑者を厳しく非難した。また兄弟子のうち伊塚、藤居の両容疑者は制裁目的の暴行であったことを認めたが、木村容疑者は殴るなどの行為は認めているが「しつけと教育だった」としている。

 力士の死亡例は、平成以降でも12件あり、けいこで倒れた力士は、けいこの前後も含めて斉藤さんで5人目。しかし、国技たる相撲のけいこ場は「聖域」とみなされ、これまで捜査機関が、本格的に問題を調べることはなく、逮捕状が取られたのも今回が初めてだ。行き過ぎた“かわいがり”はけいこではなく犯罪―。警察による厳しい視線が向けられることになった。

[2008年2月8日8時55分 紙面から]

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