「秋の大運動会」から「大勝負へ」-。指揮官・藤川球児はシーズン終了後のスピーチでポストシーズンへ決意をみなぎらせた。NPB今季ラストの公式戦は甲子園でのヤクルト戦。連覇を決めたが、ここは最下位転落を避けたかったヤクルトの前に0-4で完敗を喫した。79勝62敗2分けで今季を終えたのである。
その後のファンを前にしたスピーチで球児はこんなことを言った。「いよいよ最後の大勝負が始まります。昨年、日本シリーズでソフトバンクにここで敗れ去りました。その悔しさを皆さんで晴らしましょう」。
それを聞いた虎番記者は「おや?」という思いにとらわれた。熱心な虎党も同じことを思ったかもしれない。その後の取材でも「ここから大勝負」という言葉を使ったのである。
昨年のCSを前にした会見で球児はこんなことを言っていた。「セ・リーグ最後の大運動会。勝っても負けても素晴らしい期間に、3チームでしたい。ぜひお楽しみにしていただきたい」。就任以来、独特のワードセンスを披露していた球児だが、ここでも「運動会」と表現したものだ。
それが今年は「大勝負」である。そこに「今度こそは」という気合を感じる。もちろん日本シリーズへの進出は阪神も、ソフトバンクもまだ決めてはいない。それでも、そうなることを想定してかどうか、そんな話をしたのである。
優勝を決め、甲子園に戻ってからのこの3日間、球児はリラックスしていた。昨季はシーズン途中からベンチに陣取り、虎番記者と雑談を交わす場面も。しかし今季はそういうシーンは皆無だった。それが優勝を決め、甲子園に戻った6日の試合前からそのモードが復活していた。それだけ今季が苦しかったという証明かもしれない。
それでも関係者によると「もう切り替えます」と話しているようだ。CSファーストステージが行われている間は、阪神はしっかりと調整、練習を行う。そこでは球児は“闘争モード”に戻る様子だ。ベンチに座って話す姿もなくなるかもしれない。
それはそれでいいのだ。言うまでもなく、もっとも大事なのは日本シリーズまで勝ち抜いて虎党を喜ばせることである。まずは14日からのCSファイナルだ。巨人か、DeNAか相手は未定だが、ここをいい形で勝ち抜くことから「最後の大勝負」は始まるのだ。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)






