まさかの完敗で、広陵の夏の広島3連覇が消えた。4点差ビハインドからの終盤の反撃にかけたが、8回に連打、9回は失策で大量失点。

9回は泣きはらしたナインが三塁側ベンチから身を乗り出し、打席に立つ仲間を鼓舞。9回2死から代打起用された三木太陽(1年)が、右翼ポール際に弾丸ライナーをたたき込んだのは、王者の意地だった。

エース河野佳(3年)にとっても、つらい夏の終わりになった。先発の石原勇輝(3年)が3回途中3失点で降板し、救援登板。だが広島商に傾いた流れを止められず、5失点(自責3)で8回途中にベンチに下がった。自身も含めて相手9番の西森に3安打を浴びたことに「バットが振れてる。9番と思わずクリーンアップのつもりで抑えて行こう、と話していたんですが。この仲間でもっと長く野球をやりたかった」と涙が止まらなかった。卒業後については「今はまだ」と語るにとどめたが、社会人野球を経てプロを目指す。