日本高野連は20日、夏の甲子園と49地方大会の中止を発表した。新型コロナウイルス感染拡大は終息が見えず、運営委員会、理事会でも質問は出たが反対、結論延期とはならなかった。

夏の甲子園中止決定を受け県岐阜商・鍛治舎巧監督(69)が20日、同校室内練習場で会見を行った。

「致し方ないのが今の実感。センバツはやる、やらないを検討してもらったが、今回は明らかに環境が違う。(新型コロナウイルス感染拡大で)授業、部活動ができていない。夏の甲子園中止の判断は仕方がない」。センバツに続き甲子園出場を絶たれたが、高野連の判断を冷静に受け止めた。

「甲子園に代わるものはない」としながらも、3年生のために代替案も提示した。「7月11日から県大会が始まる予定だが、夢をつなぐという意味で県大会で終わらず、できれば東海大会をやってほしい」。甲子園がなくなった8月も利用し、愛知、岐阜、三重、静岡の4県大会の各決勝進出8校で、東海大会を開催することを要望した。

会見後には3年生25人とリモートミーティングを実施。中止の説明をし「残りの高校生活で生きた証しを残してほしい」と伝えた。教え子が「後輩たちに同じ思いをしてほしくない」と言葉を絞り出すと、鍛冶舎監督の目から涙があふれた。【伊東大介】