関根学園は六日町に7-3で勝ち、秋は3年ぶり準決勝進出を決めた。1回表1死満塁で5番・片桐優三塁手(2年)が走者一掃の中越え三塁打を放つなど3安打の猛打で打線に勢いをつけた。23日の準決勝は日本文理と対戦する。

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グレーのユニホームを真っ先に土色に汚したのが関根学園の5番、片桐だった。1死満塁の1回表だ。カウント2-1からの直球をフルスイング。背走する中堅手が差し出すグラブを越えて走者一掃の三塁打になった。三塁に滑り込み、次打者、谷島優輝左翼手(2年)の左犠飛には本塁に頭から突っ込んだ。「せっかくのチャンス。ここで1本打っておかないと…」。胸と両ももにグラウンドの土をつけながら話した。

新潟商との4回戦(16日、3-0)は2三振を含む4の0。安川巧塁監督(31)に「変化球が打てなかったので(準々決勝は)絶対、変化球でくるぞ」という指示を受け、4回戦後はマシンを使って変化球打ちを繰り返してきた。この日の打席は変化球を狙いながらも「得意」と言う直球をはじき返した。6-1で迎えた3回は先頭で中前打を打ったが、これも直球。「1点でも多く」と出塁し、本塁を踏んだ。好機に走者をかえし、好機をつくった。

準々決勝のチームのテーマは先制だった。安川監督が「目標を簡単にクリアした」と1回表の攻撃を振り返る。「ポイントゲッターとして打順を組んでいる」という指揮官の期待に片桐がバットで応えた。「走者をためてくれる打線。(打席では)1人でもかえすことを意識している」と殊勲の5番打者は言葉通りに躍動した。【涌井幹雄】

○…4回から3番手で登板した六日町の佐藤球士投手(1年)が6回を無失点に抑える好リリーフを見せた。18個のアウトのうち、14個がフライアウトと持ち味の直球を投げ込み、フライアウトを量産した。試合は序盤の失点が重く、4強入りはならなかったが「腕がしっかり振れていたし、球速以上にしっかりと投げ込めていたと思う。出来過ぎました」と充実感を漂わせた。