4季連続甲子園出場の横浜(神奈川2位)が6回コールドで西武台(埼玉1位)を破り、3年連続の8強入りを決めた。
「人生変える日だぞ」。最速152キロ右腕、福井那留投手(2年)は村田浩明監督(40)に声をかけられ、マウンドに向かった。絶対的エース、織田翔希投手(3年)が引退し、新チームのエースは高校日本代表も経験した小林鉄三郎投手(2年)が務める。しかし、県大会では準々決勝から3連投で先発し決勝は慶応に敗戦。福井は「小林1人だけじゃ勝てない。小林におんぶにだっこじゃなく、自分がやってやるぞ、という気持ちで投げました」。覚悟のマウンドだった。
この日の最速147キロの真っすぐに、スライダーとシンカーを織り交ぜ、1回から6者連続三振を奪うなど圧倒。「低めに集められて、取りたい時にストライクが取れた」と5回を投げ4安打1失点。課題に掲げていた気持ちの弱さも「昨晩、監督さんに“お前でいくぞ”と言われて気持ちが入った」と、克服。打者と向き合い、観察。投げるべき球を選択し、打ち取った。
新しい横浜の予感だ。村田監督は「大げさですが新しい横浜ができたんじゃないかと思う」と、自信をのぞかせた。これまではエースが先発し、ダメなら2番手。いつしか守りに入っていた。「短期決戦なので投手も打順も調子がいい選手から上げていく」。積極的な起用で試合を支配した。
2年前から度々口にしていた「最強のチャレンジャー」へ。「泥臭く、選手を信じてどんどん使っていって、ゲームを支配できるように戦いたい」。そんな指揮官の思いに見事に答えた福井の投球。「チームとしても(投手陣の)使い方が大きく広がったと思います」。小林を温存しながら、勝利する。新たな強さを身につけ、昨秋準々決勝敗退の悔しさを晴らす。

