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鹿児島実ナインは笑みをはじけさせ応援スタンドにダッシュする（撮影：多田篤）

鹿児島実Ｖへの足跡
２回戦	3－2	鹿屋
３回戦	10－0	古仁屋
４回戦	6－1	指宿南
準々決勝	2－0	鹿屋中央
準決勝	1－0	樟南
決勝	4－2	鹿児島工

＜高校野球鹿児島大会：鹿児島実４−２鹿児島工＞◇７月１６日◇決勝

　鹿児島実が４年ぶりの夏に名乗りを上げた。宮下正一監督（３５）は「今日の１勝を取るために、この１年やってきた。ナイスゲームでした」と選手をたたえた。２点差の９回表２死一、二塁。昨夏の決勝は１点リードの９回裏、神村学園に逆転サヨナラ負けを喫した。そんな悪夢が、チーム全員の脳裏をよぎった。しかし、岩下圭（３年）が投じた「この夏で最高のストレート」が内角低めにズバッと決まった。

　エースの松窪岬（３年）が不調のため、３回戦の古仁屋戦以外すべて登板。準々決勝、準決勝を連続完封した右腕はこの日も１４０球を投げ込んだ。「投げる機会が少ない松窪が、１回１回声を掛けてくれた。あいつに甲子園で投げてほしくて…」。苦しむエースにささげる勝利でもあった。湊崎諭史（３年）主将は「甲子園でも鹿児島代表として大暴れしたい。目標は全国制覇です」。１年がかりで悲願を達成したナインが、今度は全国の頂点を目指す。

　［2008年7月17日　紙面から］

◆鹿児島実　１９１６（大５）、鹿児島実業中学館として創立の私立校。４８年から現校名に改称。普通科、文理科、総合学科があり、生徒数は１３３０人（女子４９０人）。野球部は１８年に創部。部員は７５人（女子マネジャーを３人含む）。主なＯＢにソフトバンク杉内、本多、サッカー日本代表の遠藤保仁（ガンバ大阪）ら。鹿児島市五ケ別府町３５９１の３。中釜一喜校長。