第83回選抜高校野球大会(3月23日から12日間、甲子園)に出場する北海(北海道)が22日、ベンチ入りメンバー18人を発表した。背番号1は昨秋に続き、平川敦監督(39)が全幅の信頼を寄せる右腕・玉熊将一投手(1年)が背負う。本番までの調整は原則、本人の意思を尊重。プロ野球日本ハムの梨田監督が、黄金ルーキー斎藤佑樹投手に与えている「調整特権」のように、玉熊も佑ちゃんばりの自己流調整で仕上げていく。

 北海の1年生右腕が“佑ちゃんスタイル”で甲子園に乗り込む。新チーム結成時からエース番号を背負う玉熊の信頼度は高い。

 平川監督

 自己管理ができるし、それなりに体を作っていける。今年に入って何も話はしてないです。

 西尾主将

 いつも考えてプレーし、何が必要かを瞬時に判断できる。クレバーなんですよ。

 チームからは絶賛の声が続くが「もっとレベルアップしないといけない」と本番を見据えた。

 投手出身の平川監督は「結果を出してきたから」と、愛弟子の調整について言及はしない。投球練習だけなく、日ごろの言動なども含めて状態を把握。大きく道筋を外さない限りは、ストップをかけない。ブルペンに入っても、指揮官は捕手の後方で見守るだけで無言で引き揚げる。

 西尾主将が認める冷静さは、昨秋の明治神宮大会で実証済みだ。高校生として初めて神宮のマウンドに立ったが、初戦で対戦した日大三(東京)のエース吉永健太朗(2年)の140キロ台後半の速球を横目に、自分のリズムを貫いた。優勝した強力打線に終盤こそつかまったが、6回まで3安打2失点と好投。確かな自信をつかんだ。

 メンバー発表のこの日は、札幌ドームでノースロー調整。ほかの投手陣とランニングやストレッチなどに汗を流した。今をときめく日本ハム斎藤については「タイプも投げ方も違うけど、制球力で勝負するところはまねしたいです」と力強く言った。【中尾猛】