鹿児島 優勝記事
樟南ランニング逆転3ランV/鹿児島大会
- 優勝の瞬間、マウンドの原(右)に大喜びで駆け寄る樟南ナイン(撮影・倉成孝史)
-
樟南Vへの足跡 2回戦 5-0 加世田 3回戦 2-1 出水商 4回戦 7-2 尚志館 準々決勝 4-3 指宿 準決勝 8-2 鹿児島南 決勝 3-2 鹿児島城西
<高校野球鹿児島大会:樟南3−2鹿児島城西>◇7月21日◇決勝
樟南が4年ぶり17度目の甲子園切符を手にした。初出場を狙う鹿児島城西との決勝で、1点リードされた5回裏、今夏初スタメンの6番茂木(しげき)龍幸(3年)が逆転ランニング3ランを放ち、3-2で逃げ切った。
無我夢中で「背番号16」が走った。5回裏2死二、三塁。6番茂木が低めの直球を思い切り振り抜いた。鋭い打球が中前を襲う。中堅手が飛び込んだ。抜けた。「三塁までいける」。二塁を蹴った。三塁コーチがグルグル手を回す。「何も考えられなかったし、覚えていないです」。気がつくと、捕手のタッチをかいくぐり、本塁へ滑り込んでいた。逆転ランニング3ラン。高校通算2本目は、夢切符をつかむ劇的なアーチとなった。
試合前のベンチ裏で今夏初スタメンを告げられた。前日20日の準決勝・鹿児島南戦は9回に代打本塁打。夏の戦い方を知り抜く65歳の名将・枦山智博監督が、大舞台で抜てきした。球場中に聞こえるマイクを通して、枦山監督から「ありがとう」といわれると「いつも怒られてばかりなので、びっくりしたし、うれしかったです」と照れながら丸刈りの頭をかいた。
現在のチームは秋、春ともに県8強止まり。枦山監督には「甲子園に行けるチームじゃない」と言われた。「勝てなくて苦しかった。夏に勝とう、とみんなに言い続けた」という二塁手の森藤純弥主将(3年)を中心に鉄壁の守備で1点差を守りきった。
枦山監督は「選手には『甲子園に行けるチームじゃない』と言ったけど、狙っていたし、行かせてやりたかった」と打ち明けた。序盤にスクイズと犠打を失敗。「私の責任」と同監督。5回には4番定岡俊毅にエンドランのサインを出し成功。茂木の3ランにつながった。65歳監督の執念に、気合で応えた樟南ナイン。4年ぶりの夢舞台でも大暴れする。【倉成孝史】
[2009年7月22日 紙面から]
◆樟南 1883年(明16)博約義塾として創立の私立校。94年に鹿児島商工から現校名に改称。普通科、商業科、工業科、介護福祉科があり、生徒数は1181人(女子508人)。野球部は54年の創部で、部員は54人。甲子園は春7回、夏は17回目の出場。94年夏は準優勝。主なOBにはロッテ青野らがいる。鹿児島市武岡1-120-1。時任克暢校長校長(78)。
鹿児島大会
優勝 | 参加校 | 組み合わせ表 | 春季大会優勝校 | 昨夏代表校 |
---|---|---|---|---|
樟南 (4年ぶり17度目) |
85校 (前年比-2) |
ダウンロード[PDF] | 鹿屋中央 | 鹿児島実 |
- 肩マーク規定抵触?佐渡から島消えた [27日08:21]
- 甲子園歴史館でセンバツ特集展 [24日15:42]
- 北海・玉熊 監督信頼「佑特権」 [23日12:32]
- 北海 浜松合宿帰道「走攻守」手応え [22日11:25]
- 静清・南フェースガードで練習復帰 [18日11:40]