日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムの野球ページです。



ここからこのサイトのナビゲーションです

共通メニュー

企画アーカイブズ

QAなう


  1. トップ
  2. ニュース
  3. 写真ニュース
  4. 日程一覧
  5. Twitter

静岡大会 優勝記事

常葉学園橘、兄弟対決制し2連覇/静岡大会

連覇を決めた瞬間、エース長谷川を中心にNO・1ポーズの常葉橘ナイン(撮影・為田聡史)
連覇を決めた瞬間、エース長谷川を中心にNO・1ポーズの常葉橘ナイン(撮影・為田聡史)
Vへの足跡
常葉学園橘Vへの足跡
2回戦 4-1 新居
3回戦 8-1 浜名
4回戦 10-0 焼津水産
準々決勝 9-2 富士宮北
準決勝 5-4 静岡
決勝 5-3 常葉学園菊川

<高校野球静岡大会:常葉学園橘5-3常葉学園菊川>◇7月27日◇決勝

 栄冠は常葉学園橘に輝いた。常葉学園菊川を逆転し、5-3で2年連続甲子園出場を決めた。夏の県大会連覇は常葉菊川に続き、史上5校目となる。1点を追う6回裏無死満塁から、準決勝で逆転サヨナラ打を放っている小岱(こぬた)太志内野手(3年)が、右翼線へ2点二塁打を放ち逆転。エース長谷川彦(げん=3年)が4回以降無失点で完投した。

 マウンドの長谷川に真っ先に小岱が抱きついた。マウンドに人がなだれ込み、肩を組み「NO・1ポーズ」を取る。2年連続の甲子園出場だが、昨年とは違う喜びが常葉橘ナインを貫いた。準決勝に続き逆転打を放った小岱は「持ってますねぇ。昨年は行って春は行けず、甲子園に行きたいという気持ちはどこにも負けていなかった。(最後は)彦が(投ゴロを)取ってアウトにして、うれしくて泣いちゃいました」。姉2人に泣かされ「泣き虫たいちゃん」と呼ばれた昔の顔に戻って、喜んだ。

 苦しい展開を打開したのは「攻め」の姿勢だった。5回表無死一塁から三ゴロの併殺プレーを、打力を買われ今大会初先発の伊藤圭一塁手(3年)が後逸(記録は二塁手の悪送球)。その瞬間「俺を使え」と目に力を込め見つめた背番号3の荒木良太(3年)に、黒沢学監督(33)は押された。その場で起用すると6回裏1死、その荒木が左前打で出塁。相手の失策も呼び込んで無死満塁となると、小岱の打球は一塁手の頭上に高く弾む逆転打となった。

 初回から失点し、追い上げても離された。だが「今日は打ち合いだ。相手以上に取るんだというエネルギーを出せ!!」とハッパを掛ける監督に、選手は奮起した。小岱に続き5点目の犠飛を打ち上げた早川顕一右翼手(9年)は「今日は死んでもいいという覚悟だった」と振り返った。ベンチを含む全員が、最後まで攻めた。

 今季、昨夏の甲子園の主力が5人残った。それが災いした。「昨年のチームにあった『100%の意欲』が今季はなかった。甲子園を経験している分『こんなもんだ』というのが見え隠れした」(黒沢監督)。大会3週間前の紅白戦で、主力組が初めて控え組に負けた。焦りが生まれ、朝練習の時間を割いて学校の教室に集まった。その日から、守備位置へ全力疾走でつくようになった。キャッチボールの全力投球も始まり、グラブを構えた以外に投げると、怒声が飛び交う厳しい雰囲気に包まれた。

 夜は監督が引き揚げた後、管理人に頼み込み、消灯時間を超えても点灯し、素振りを続けた。いつの間にか全員が午後11時すぎまで残っていた。昨年の庄司隼人(現広島)のような絶対的な選手不在の中で「自分たちだけでやったことが団結につながった」と牛場友哉主将(3年)は「チーム力」を強調した。初出場の昨夏は16強。だが、現3年生は誰も甲子園の土を持ち帰らなかった。もう1度行くから-。その思いは、誰にも邪魔されることはなかった。【今村健人】

 [2010年7月28日 紙面から]

常葉学園橘  1963年(昭和38)に男子校の橘高等学校として創立された私立校。78年から現校名、97年から男女共学となる。普通科、英数科、音楽科があり、生徒数932人(女子457人)。野球部は学校創立と同時に創部。昨夏の初の甲子園出場を果たした。主なOBは庄司隼人(広島)関谷正徳(元レーサー)。部員数は39人。所在地は静岡市葵区瀬名2の1の1。吉村耕司校長。


静岡大会

優勝 参加校 組み合わせ表 春季大会優勝校 昨夏代表校
常葉学園橘
(2年連続2回目)
118校 ダウンロード[PDF] 静岡 常葉学園橘


日刊スポーツの購読申し込みはこちら

  1. ニッカンスポーツ・コムホーム
  2. 野球
  3. 高校野球
  4. 夏の甲子園
  5. 地方大会
  6. 静岡

データ提供

日本プロ野球(NPB):
日刊編集センター(編集著作)/NPB BIS(公式記録)
国内サッカー:
(株)日刊編集センター
欧州サッカー:
(株)日刊編集センター/InfostradaSports
MLB:
(株)日刊編集センター/(株)共同通信/STATS LLC

ここからフッターナビゲーションです