#TSUTSUGOチャレンジ-。レイズ筒香嘉智外野手(28)の打撃論を軸にした「日米比較論」の第2回は「18・44メートルの攻防」に迫る。現地でキャンプ、オープン戦を取材したMLB担当記者は、その卓越した準備力に目を見張った。

<MLB担当が見た筒香の打撃練習>

DeNA時代を知らないこともあり、キャンプ中、筒香に率直に聞いた。打撃練習中、意図的に振り遅れるようにスイングしているのかと-。答えは、「YES」だった。

メジャー1年目のキャンプでもあり、大半の報道陣がスイング数、サク越え数を取材ノートに記す日々が続いた。原稿を書く上で必要な時がある一方で、数日のうちに、その意味がないことに気付いた。確かに気分よくサク越えを連発することも、時には必要なのかもしれない。ただ、筒香はそんな自己満足を求めてはいない。ぎりぎりまで体を開かず、我慢してボールを待つ。裏を返せば、より難しい球種、コースを想定して対応を繰り返す。ファウルを打つこともその一環。当たり前のことのようだが、筒香の打撃練習は、あくまでも実戦を見据えた練習に過ぎない。

オープン戦2試合目で左中間の電光掲示板直撃の初アーチを放った際、サラリと振り返った。「もちろん悪い結果よりいい結果の方がいいですけど、あくまでもシーズンです」。練習、オープン戦は、準備段階。開幕日が不透明でも、筒香はデビュー戦へ向けて、爪を研いでいるに違いない。【MLB担当=四竈衛】