巨人やヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(48)が24日(日本時間25日)、ニューヨーク州郊外で今年2回目となる少年少女対象の野球教室を開催した。恒例の「模範打撃」では、豪快な柵越え2本を披露。子供たちの大歓声を浴びた。

基本の大切さを伝える一方で、本塁打の魅力を知るからこそ松井氏は、子供たちの前では遠くへ飛ばすことにこだわった。ヤ軍傘下マイナーの球場で右翼ポール際へ2発。「染みついてるんでしょうね。ヤンキースで長年やっていると、あそこに(右翼が狭いヤンキースタジアムのように)最短距離で入れるというのがまだ体に残ってるんでしょう」と、おどけながら振り返った。

くしくも、日本ではヤクルト村上、メジャーではジャッジ(ヤンキース)と、日米両国で本塁打記録に注目が集まっている。「村上君は55本で、もう少しで日本人で1番多い本塁打になるわけですから、次の1本は意義があるんじゃないかと思います。あれだけすばらしい選手。最近は55番と言えば、私ではなくなってますからね。村上選手だと思います。そういう時代ということだと思います」。

巨人在籍最終年の12年に50本塁打を放った松井氏は、3度の2冠に輝きながら、3冠王には手が届かなかった。「取りたいとは思っていましたよ。意識はしてましたけど、意識して最後ダメだった。その辺が取れる選手との違いです」。村上、ジャッジの2人には3冠王の可能性が残されており、公式戦最終戦まで熱い戦いが続く。

今は、日米のプロ野球を、あくまでも「一ファンとして見てます」と話す松井氏。10月15日には、国内では4年ぶりとなる野球教室を故郷・石川で開催する。「最後にみんなが笑顔で終わってくれるのがうれしい」と、子供たちと触れ合う時間に目を向けていた。