米球界屈指の代理人として知られるスコット・ボラス氏（70）が9日（日本時間10日）、米ラスベガスで行われているGM会議の会場内で日米報道陣に対応した。ポスティング制度を利用してメジャー移籍を目指す阪神藤浪晋太郎投手（28）のほか、現在、球団と折衝中のオリックス吉田正尚外野手（29）の代理人を務めることを明かした。

今後、ポスティング申請が認められる場合を想定したうえで、ボラス氏は吉田の特性がメジャーの需要に一致している現状を力説した。「今の市場では1番打者が必要とされている。コンタクトが上手で出塁率が高い選手を多くの球団が探している。吉田がまさにそうで、ここでも必要とされている」。首位打者2回、最高出塁率2回の実績に加え、三振数の少ない吉田正のようなタイプは希少価値のある存在。米メディア内では、すでにヤンキースをはじめレッドソックスなどが興味を示していると伝えられるなど、ポスティング容認となれば、複数球団が獲得へ動く見込みだ。

藤浪については、同氏は本調子を取り戻した今季後半戦の投球を好材料に挙げた。「米国でも球威があってフォークがある投手はわずかしかいない。藤浪はそのカテゴリーに入り、速球の制球も良くなった。多くの球団が必要とするだろう」。時速150キロ台後半の速球と落差の大きいフォークを武器とする藤浪の投球スタイルはメジャー向きと言われており、同氏も自信たっぷりに言い切った。

今後は、オリックス、阪神と連絡を取り合いながら、ポスティングの可否や申請時期を探っていく予定。「自信以上のものがある。間違いなく、彼らと契約するチームは（複数）存在する」。同氏の口調は、最後まで力強かった。