ポスト森福は俺！　ソフトバンク飯田優也投手（２６）と嘉弥真新也投手（２７）が、左の中継ぎ争いを演じている。開幕１軍切符はタイプの違う２人に絞られた。

　育成出身５年目の飯田は１８６センチの長身から力でグイグイ押していく。「今までの最速は１４９キロ。１５０キロが出たらいい。勝ちパターンに入りたい」。昨秋からクロスステップを矯正して制球力がアップ。オープン戦は２試合、２回無失点。対左３人も３打数無安打に抑えている。試合中に自らフォームを修正するなど、気持ちの強さに加え冷静さも出てきた。キャンプではカーブを磨き、投球の幅も広がってきた。

　一方の６年目嘉弥真は、昨秋サイドスローに転向。１７３センチと小柄な体からベース板を広く使って勝負する。オープン戦は３試合、３回２／３で２失点。だが１０人対戦した左打者は９打数２安打と抑えている。「腕の位置はバラバラ。力が入ると上がってしまう。でもいい球がいけばいい。１軍が見えてきた」と手応えをつかむ。工藤監督はフォームの映像を見て自分の動きを覚えることで、一定の位置に修正できると見ている。

　佐藤投手コーチは「飯田が一番球に力がある。嘉弥真はこれから。阪神の吉野だって１年かかったんだから」と期待は大きい。０２年に阪神投手コーチだった佐藤氏がサイドに転向した吉野を鍛え、勝利の方程式の一員に育てた。嘉弥真も同じように育てようとしている。開幕まで残り１１試合。鷹の中継ぎ左腕争いから目が離せない。【石橋隆雄】

　◆飯田優也（いいだ・ゆうや）１９９０年（平２）１１月２７日生まれ、兵庫県出身。神戸弘陵－東農大北海道オホーツクから１２年育成ドラフト３位でソフトバンク入団。マルチな役割をこなせる。１８６センチ、８３キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸は２１００万円。

　◆嘉弥真新也（かやま・しんや）１９８９年（平元）１１月２３日生まれ、沖縄県出身。八重山農林－ビッグ開発ベースボールクラブ－ＪＸ－ＥＮＥＯＳから１１年ドラフト５位でソフトバンク入団。１７３センチ、６８キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸は２０００万円。